EU、国際インフラ計画で合意 高官は「一帯一路とは違う」と強調

2021/07/15
更新: 2021/07/15

欧州連合EU)の外相は12日、経済、外交、開発政策および安全保障上の利益を促進するために「グローバルにつながる欧州(A Globally Connected Europe)」というインフラ計画を承認した。中国「一帯一路」構想に対抗するものと見られる。

EUは、2022年以降にこの新たな取り組みを開始する。これを通じて、EUの経済、外交、開発政策、および安全保障上の利益がアジアや中東を含む広い範囲に促進させるとしている。基本原則 は持続可能で包括的、ルールに基づくものであると強調している。

EUはこのインフラ計画のために、加盟国や欧州企業、金融機関や開発機関と連携する。加えて、志を同じくする国や地域とのパートナーシップを重視している。特に、日本とインドとの既存のパートナーシップの運用性を高め、さらには、ASEANや米国などさらなる連携強化を図るという。

EU外務・安全保障政策上級代表のジョセップ・ボレル(Josep Borrell)氏は、同計画は一帯一路とは手法も目的も違うと述べた。中国の計画は、途上国はインフラ投資のために高利の融資契約を結ばされ、債務が返済できなくなると国家資産や戦略要地を提供せざるを得なくなる「債務のトラップ」と呼ばれており、悪名高い。

EUは2018年、インフラ整備などを通じて欧州とアジアの繋がりを強化する「アジア戦略」を採択した。この締結は、持続可能や透明性を掲げた計画であることを強調しており、途上国に対して、一帯一路とは異なる選択を示す。

EU加盟国のなかで、ギリシャとイタリアは「一帯一路」に参画することに合意した。これによって、中国は両国の港湾事業に手をつけた。地中海の両国を足掛かりに、中国は港湾の権利権を獲得している。EU理事会は、欧州の供給網の安全保障リスクがあると見ている。例えば、2017年、中国国有企業の中国遠洋海運集団はギリシャのピレウス港を運営する会社株式の67%を獲得した。

(蘇文悦)