欧米諸国が新疆ウイグル自治区での強制労働に対する監視を強化する中、中国企業3社は新疆の労働者の雇用を停止した。3社はAppleなど米企業のサプライヤーである。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)20日付が報じた。
報道は、携帯電話のタッチ保護ガラス・パネルなどを製造する中国大手のガラス加工メーカー「レンズ・テクノロジー」の元従業員の話として、同社は中国政府が支援する労働力計画を通じて、新疆の工場から送られてきたウイグル人労働者の雇用を徐々に停止していくと報じた。通常のウイグル人労働者の雇用も停止するという。同社は米Apple社の主要サプライヤーである。
中国のマスクメーカー「中國口罩生產商湖北海興無紡布(Hubei Haixin Protective Products Group)」の従業員は、同社でも新疆からの労働者を雇用しないことを決めたと明かした。
同マスクメーカーが製造した個人用保護具は、米国のeコマースウェブサイトで販売されている。
米スポーツ用品大手のナイキが2020年6月に同社ウェブサイトで発表した声明によると、同社のために中国でスニーカーを製造する「テクワン・インダストリアル社(Taekwang Industrial Co., Ltd.)」の中国子会社は、昨年の第2四半期に新疆の労働者を帰郷させた。
中国のサプライヤーは、中国政府が支援する労働力計画を通じて、数千人の新疆労働者をまとめて雇用している。
人権団体や欧米の研究者は、新疆当局が大量拘束や中国政府のいわゆる「労働力移転」プログラムを利用して、全国の工場でウイグル人を働かせていると非難した。
中国政府はこれらの疑惑をすべて否定している。
米国務省は13日、中国政府がウイグル族などに対して「恐ろしい虐待を続けている」と指摘したうえで、新疆にサプライチェーンを抱える企業や投資を続ける企業などに対し、法的なリスクがあると警告した。
6月に閉幕した先進7カ国首脳会議(G7サミット)では、中国による新疆ウイグル自治区の人権侵害を念頭に、世界的なサプライチェーンでの強制労働問題に深い懸念と根絶に向けて連携強化を表明した。
(翻訳編集・李凌)
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