米上院公聴会、中国共産党の脅威は「すでにここにある」

2021/08/06
更新: 2021/08/06

米上院情報特別委員会は4日に公聴会を開き、米国に対する中国の浸透と支配の脅威は、「すでにここにある」と指摘した。両党議員は、同盟国と力を合わせて中国の影響力に対抗するよう求めた。 

今回の公聴会のテーマは「中国の長い腕:米国の国家安全保障への脅威」である。

米上院情報特別委員会(Select Committee on Intelligence)委員長のマーク・ウォーナー(Mark Warner)上院議員によれば、今回の公聴会の目的は、中国による学術的浸透、知的財産の盗難、サイバー攻撃など悪意のある行動に対する米国人の認識を高めることだとした。

「ターゲットは中国共産党。中国人や中国系米国人ではない」

公聴会に出席した議員や証人たちは、自分たちがターゲットにし、米国に脅威をもたらしているのは、「中国共産党(以下、中共)であって、中国人や中国系米国人ではない」と繰り返し強調している。

ウォーナー委員長は、「私たちの課題は中共とその指導者たちである。この国に住む中国人や中国系移民、中国系米国人、アジア系米国人らに対するいかなる人種差別や外国人排斥的な言論も、私たちの国と価値観にとって有害だ」と述べた。

また、同委員会委員のマルコ・ルビオ上院議員は、中共は米企業の利益への渇望を「米国と対峙する」ための「武器」として利用していると指摘した。

ルビオ氏:最大規模の国家間の富の違法な移転

「いよいよ目を覚ます時がきた。米企業が中共にどれほど深く依存しているかを見てみるといい」「中国市場への参入を切望する米企業は、米国の一部の州で中共に不利な法案が可決されるのを阻止することもいとわない」とルビオ氏は述べた。

また、「一部の米企業は中共の圧力の下で従業員の解雇、特定のアパレル製品の回収、あるいは他の米企業との関係の断絶などを強いられた」

「中共の長い腕による支配の脅威は、将来的なものではなく、今すでにここにある脅威なのだ」

「中共はネットワークにハッキングして窃盗を働いている。毎年、3000億~6000億ドル相当の米国の技術や知的財産が盗まれている」

「米国の利益に対する中共の脅威は企業のコントロール範囲を超えている。これは、人類史上最大規模の国家間の富の違法な移転に相当する」

「今日、米国人が何を言い、何を聞くのか、そして何を読み、何を見るのか、中共は他のどの外国政府よりも多くの支配権を持っている」

「中共はハリウッド、大学の研究、産業政策、新興企業などに影響を与えるだろう」とルビオ氏は警告した。 

ウォーナー氏、同盟国と団結して中共に立ち向かう必要がある

先月、バイデン政権は同盟国と共に、米マイクロソフトに対するサイバー攻撃は中国政府に関係するハッカーの犯行だとの見解を正式に示した。

ウォーナー氏は、「中共に単独で対抗できるとは思っていない。米国の最大の強みは強力な同盟国を持っていることだ」と述べた。

米国家防諜安全保障センター(NCSC)のウィリアム・エバニナ(William Evanina)前長官もウォーナー氏の見解に支持を表明した。

「中共の本質は変わらない。このことに関して超党派は共通認識を持っている。共産党は今のやり方をより強力に推進するだけだ。だから、我々は対中政策を変えるしかない」とエバニナ氏は指摘した

ポッティンジャー、事実をひっくり返すための世論操作は北京の特技

米トランプ前政権で国家安全保障副補佐官を務めたマシュー・ポッティンジャー (Matt Pottinger)氏も今回の公聴会にオンラインで参加した。

「米国と他の自由社会はようやく目覚め、中共に対してより明確な理解を持つようになっている。しかし、米政府は中共の対米戦略における最大の脅威をまだ認識していない」と指摘した。

「北京はその野心を満たすために、政界、ビジネス界、科学界の指導者を含む米国人を脅迫し、影響を与えようとしている」

「中共は人知れずにプロパガンダを広めることに長けている」と同氏は指摘した。

「普通の会話は実は、中共宣伝部門の手の込んだ宣伝だった」と中共の危険性を指摘した。

「中共は、米軍が武漢にウイルスを持ち込んだ可能性を繰り返し示唆する一方で、米国製ワクチンの有効性を常に疑問視している。これらのプロパガンダ手法の目的は、民主主義に対する世界の信頼を貶めると同時に、レーニン式の全体主義がより優れた政治的モデルであると宣伝し、推奨することだ」とポッティンジャー氏は述べた。

(翻訳編集・李凌)