中国官製メディア、靖国巡り人気俳優を袋叩き 27社がCM契約打ち切り

2021/08/16
更新: 2021/08/16

中国ではこのほど、人気俳優の張哲瀚氏(30)が以前日本を訪れた際の靖国神社などでの写真撮影が問題視され、愛国主義者らや官製メディアの猛批判に遭った。張氏をイメージキャラクターに起用していた企業27社は次々と契約を解除した。

中国メディアの報道によると、張氏は2019年に東京の乃木神社で行われた友人の結婚式に出席し、同じく参列者であるデヴィ夫人と記念写真を撮った。また、張氏は靖国神社の入口前でも写真を撮った。ネット上に投稿されたこれらの写真がネットユーザーによって見つけられた後、愛国主義者らは張氏に対して「精日(精神的日本人)分子だ」「中国を侮辱した」などと集中砲火を浴びせた。

張氏を結婚式に招いた男性友人は中国版ツイッター、微博(ウェイボー)で声明を発表し、乃木神社は「日本で結婚する人の多くが選ぶ場所だ」と説明した。男性は中国人と日本人を親に持ち中国で育ったという。

張氏は声明で、「日本で友人の結婚式に参加しました。しかし、結婚式が行われた場所の歴史的背景や、式に出席した人の政治的背景について注意が行き届かなかったです。過ちを犯しました。…私が撮った写真の中に国民の感情を傷つけた内容があったことについて、ここで深く謝ります」とした。また、「自分は親日ではない」などと強調して謝罪した。

張氏が声明で謝罪したにも関わらず、中国共産党機関紙・人民日報、その傘下の環球時報、国営中央テレビ(CCTV)、軍報などの官製メディアは、一斉に張氏を批判した。官製メディアは、張氏が「民族感情を傷つけたため、大きな代価を支払わせるべきだ」と主張し、同氏を封じ込め、芸能界から追放することを示唆した。

13日午後10時の時点で、張氏がイメージモデルを務めるコカ・コーラや淘宝網など27社は、同氏との契約を中止または解除すると発表した。また、同氏が出演した新しいドラマや映画の放送や上映が見送られるだけでなく、「中国版Netflix」と呼ばれる動画配信プラットフォーム「愛奇芸(iQiyi)」のバラエティー番組「最後の贏家」も、張氏との協力関係を止めると発表した。

張哲瀚氏は昨年、ドラマ「山河令」で大ブレークした。

(翻訳編集・張哲)