ドバイに中国当局管理の独房「ウイグル人もいた」 中国人女性が証言=報道

2021/08/18
更新: 2021/08/18

中国共産党は国内の異見者に容赦ない態度を示し、その自由を拘束している。このほど、中共は海内でも国内同様に非合法の「闇監獄」を設置して、対象者を監視の目に置いていることがわかった。若い中国人女性はアラブの首都ドバイで、少なくとも2人のウイグル人と共に、現地の法律に則らない「闇監獄」で8日間拘束されたと証言した。AP通信が8月16日、報じた。

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報道によると、呉歓(ウ・ファン、26)さんは、5月にドバイで拘束された反体制活動家で婚約者でもある王靖渝さん(19)を救出するため、現地入りした。その際、ホテルで拉致され、中国当局側により改造され「監獄」の作りをした建物に監禁されたという。そこでは、中国人に尋問や脅迫を受けたことを明らかにした。6月8日に釈放され、現在はオランダで亡命を申請している。

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中国国内の闇監獄の存在はよく指摘されているものの、海外での存在が報告されたのは今回が初めて。

呉さんは、ドバイの闇監獄の正確な場所を突き止めることはできなかった。しかし、AP通信記者たちは、呉さんのパスポートの出国証印、中国の役人から彼女への電話録音記録、王さんの救出を支援していた人権擁護団体「チャイナ・エイド」代表ボブ・フー氏に送ったテキストメッセージなど、複数の証拠を確認している。

5月27日、呉さんはホテルで中国の関係者から尋問された後、ドバイ警察によって警察署に3日間拘束され、携帯電話など私物を没収された。3日目に中国領事館職員を名乗る人物が彼女を訪ね、外国団体から資金を受け取ったかどうかを問われたという。

彼女は、後に手錠をかけられ、黒いトヨタ車で3階建ての白い建物に連行されたと語る。建物の各部屋が独房に改造されていた。ベッドと椅子、24時間消えることのない白い蛍光灯が置かれた部屋は、重い金属製のドアで閉ざされていたという。呉さんはこの独房で尋問と脅迫を受けた。彼女は闇監獄で「中国に帰りたくない、トルコに帰りたい」と中国語で叫ぶウイグル人らしき女性の悲鳴を耳にしている。

精神的に追い詰められた呉さんに、闇監獄の職員から「王さんからハラスメントをうけた」との虚偽の証言が記載された文書に署名するよう強制した。

「私は本当に怯えていた。書類にサインするよう強いられた」と彼女はAP通信のインタビューで語っている。

数日間ハンガーストライキで抗議した呉さんは、6月8日に釈放され、婚約者の王さんと再会した。2人はオランダで亡命申請を手続き中だ。

この報道を受けて、中国外務省の華春瑩報道局長は「事実ではない」と反論した。

米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、ドバイ警察は16日、ドバイ当局が外国政府にかわって中国人女性を拘束したという主張は虚偽であり、呉さんは友人と出国したと強調した。また声明の中で、「ドバイは、国際的に認められた手続きや現地の法執行プロセスに従わずに外国人を拘束することはなく、外国政府が国境内で留置場を運営することも認めていない」と主張している。

チャイナ・エイドの代表ボブ・フー氏は16日の声明で、「中国共産党がアラブ首長国連邦のドバイなどに違法な刑務所を設置・運営し、拉致された呉歓さんらの中国人権擁護者や新疆ウイグル自治区のイスラム教徒を虐待したことは、自由世界が『目を覚ます』きっかけとなるだろう」、「国際社会が手を携えて、海外にまで触手を伸ばす中国共産党を阻止する時が来た」とコメントした。

(蓮夏)