米軍が大陸間弾道ミサイルの発射実験に成功 衝撃の動画が公開

2021/08/28
更新: 2021/08/28

米空軍の地球規模攻撃軍団AFGSC)は8月11日、カリフォルニアのヴァンデンバーグ空軍基地(Vandenberg Space Force Base)から、再突入ロケットを搭載した大陸間弾道ミサイルミニットマンIII」の発射実験に成功したと発表した。AFGSCはプレスリリースで、これは米国の核戦力の即応性、致死性、有効性の能力強化を示すものだとした。

ミサイルには、「ハイフィデリティ・ジョイント・アセンブリ」(Hi Fidelity Joint Test Assembly re-entry vehicle)が搭載されていた。約4200マイル(約6758 km)離れたマーシャル諸島のクェゼリン環礁付近に命中する前に爆発させた。

プレスリリースによると、これらの発射実験は米国の大陸間弾道ミサイル(ICBM)兵器システムの正確性と信頼性を検証し、持続的な安全、安心、効果的な核抑止力を確保するために貴重なデータを提供したと述べた。

着実に実績を築く米国の大陸間弾道ミサイル技術

「アメリカの原子力企業は自由世界の安全構造の礎である」と、第576試験飛行隊の隊長オマール・コルバート(Omar Colbert)は述べている。「今日の発射実験は、我が国の大陸間弾道ミサイル連隊がいかにして兵器システムの作戦準備と信頼性を実証しているかを示す一例である。これは、米国のパイロットの驚くべき能力を示すことにもなる」。

今回の発射実験は、複数の政府パートナーを含む数カ月間の準備作業のハイライトだ。この重要任務を遂行する空軍人員は、空軍で最も訓練され、最も優れた教育を受けた人員である。米空軍第341ミサイル連隊、第90および第91ミサイル連隊のパイロットがタスクフォースに選ばれ、この試射を支援した。これら3つのミサイル連隊の基地は、24時間年中無休体制で国家の大陸間弾道ミサイルの運用を監視している。

タスクフォースの指揮官アーロン・ブードロー(Aaron Boudreau)氏は、アメリカはこれらの発射実験を地域の緊張への対応として利用しようとしているのではないと述べた。打ち上げの時期は5年前から決められており、打ち上げの半年から1年前まで準備を進めていた。

「我々のタスクフォースは3つのミサイル連隊すべての専門家で構成されており、彼らは世界的大流行(COVID19)の期間中に予想できなかった挑戦を克服するために、信じられないほどの能動性と柔軟性を示している」とブードロー氏は言った。

太平洋地域で行われたこの発射実験は、期せずして、米空軍と国防総省の指導者たちが、中国共産党がもたらした地域的な脅威について強調しているときにやって来たのだった。

米空軍は核ミサイル近代化の必要性を強調

また、米国科学者連盟とカリフォルニア州を拠点とするジェームズ・マーティン不拡散研究センター(James Martin Center)が商業衛星の画像分析に基づき、計119個の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の地下格納庫とみられる施設が建設されていると指摘した。地下格納庫とみられる新しい施設は、中国の最西端に位置する新疆ウイグル自治区とそれに隣接する甘粛省で建設されている。

米戦略軍(USSTRATCOM)のチャールズ・リチャード司令官は、急速に増大する中国の軍事力、とくに核戦力について、米国にとって深刻な脅威をもたらすとして強い警鐘を鳴らした。

米空軍司令官マイケル・ルットン(Michael J. Lutton)氏は8月10日にミッチェル航空宇宙研究所で行われたビデオイベントで、「近代化は核拡散に対抗するための重要な部分だ」と述べた。

(翻訳・源正悟)