自民党総裁選が来週に迫るなか、4人の自民党総裁候補が未来の官房長官と自民党幹事長に求める人物像について、各自の想いを語った。官房長官は「官邸のナンバー2」と呼ばれ、首相の右腕となって補佐する大役だ。来年夏に参議院選挙を控えるなか、選挙対策を含め党を取りまとめる幹事長の人選も重要になる。これらの人事に何を求めているのか。自民党の若手議員からなる「党風一新の会(代表世話人:福田達夫氏)」が4候補に尋ねた。
岸田文雄氏「コミュニケーション能力と人柄」
岸田文雄候補は、官房長官には「国民とマスコミとのコミュニケーション能力が求められる」と述べた。そして、各省庁と横断的に考えることができる能力、特に聞く力が重要だと語った。また、総理との相性も重要であるとした。
そして幹事長については、「400人近い国会議員を束ねる必要があり、大変なことだ。人をまとめる力、人柄そして胆力が求められる」と述べた。
河野太郎氏「政府の仕組みが分かっている人、フットワークが軽い人」
河野太郎候補は、官房長官については「政府の仕組みが分かっている人」を任命したいと述べた。そして、官房長官は様々な役所に関わることを束ねたる作用が大きくなっている現状を踏まえ、「仕事の流れみたいなものが分かっている人がいい」とした。
幹事長については、「党をもっと改革しようとするのであれば、はっちゃけてもいいかな」との考えを示した。「やっぱり幹事長は地域や県連、党員にしっかり向き合い、皆さんの自民党に対する声を吸い上げていける、フットワーク軽くいろいろなところへ行き話を聞ける人がいい。そういう意味でも広報の顔になれる人であることが大事だ」。
高市早苗氏「国家観が一致している、クリーンな方」
高市早苗候補は、官房長官の理想的な人物像について、「国家観、政策を含めて、総理との一体感がなければならない」と述べた。そのうえで、「政策を受け止めて、かみ砕いて、各省庁に最適な人材を配置する」能力も求められると考えている。自民党だけではなく、各党への根回しができ、首相の考えを正しく明確に発信できる方が適していると語った。
幹事長については、党の資金の問題もあるので、「クリーンな方、党全体を見渡せる方」が必要だと述べた。日本の国会の拘束時間は世界一長いことを挙げ、総理の代わりに党運営に目を配り、各組織の機能を確保できることも欠かせないとした。
野田聖子氏「部下ではなくてパートナー」
野田聖子候補は、小渕政権の時に当選2回で郵政大臣に任命された経験を取り上げ、「基本的にはだれでもできる」と述べた。そのうえで、「私はチーム日本、チーム自民、チーム野田を作りたい」とし、官房長官と幹事長は、「部下ではなくて、パートナーである」と語った。そして、総理は多忙であり自身の想いを十分に伝えることができないと指摘、自身の気持ちを察してくれることを考慮して、女性が望ましいとの考えを示した。
そのうえで、「私の良いところと悪いところを受け止めて、挙党体制を作れる人」、「強い人ではなく、人の正義を認められる、いろいろな違いがあることを受容できる人」を条件として挙げた。
(王文亮)
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