岸信夫防衛大臣は、日本が9月の北朝鮮のミサイル発射から中国の艦艇による領海侵犯まで様々な試練にさらされ、国が試されたが同時に地域の同盟国やパートナーとの関与や技術力の向上など重要な防衛成果をもたらしたと述べた。
岸防衛大臣は日本が米国や他のパートナーと共有する自由で開かれたインド太平洋(FOIP)構想が推進され、防衛力が強化されたなどの就任後最初の12ヵ月間で得られた進展を概説した。同氏は記者団に対し、「(2020年)9月に防衛大臣に就任して以来、私は世界や時代の変化に敏感であり、柔軟な考えを持って常に全国の25万人の隊員の先頭に立つと言ってきました」と述べている。
岸防衛大臣は、「北海道から沖縄まで」に展開している自衛隊(JSDF)部隊への訪問が、部隊が訓練中であれ、災害対応などの任務中であれ、現場の隊員の意見を基に効果的な意思決定を行うことができるようにするために重要なので優先的に行ってきたと述べている。
一方、FOIP政策の維持と強化を実現するために英国や米国、ベトナムなどの同じ考え方の国の防衛関係者との面と向かっての会合などを含む防衛協力や交流を実施している。 日本の防衛省によると、2021年3月に開催された米国との2+2会談では、日本の防衛と「ルールに基づく国際体制」を含む両国の共通の取り組みが強調された。
会談では中国の最近制定された海警法についての懸念が表明され、中国政府の南シナ海における違法な領海の主張と活動に対して異議が唱えられた。両国政府は東シナ海にある日本の尖閣諸島の主権を損なおうとするあらゆる一方的な行動に反対の意見を表明した。
岸防衛大臣は2021年7月に英国のベン・ウォレス(Ben Wallace)国防大臣と会談し、両国間の防衛関係を「新たなレベル」に引き上げることで世界的な課題に取り組み、地域の平和と安定を確保することを話し合った。彼らは北朝鮮のミサイル発射を非難し、日本の海上自衛隊と英海軍の共同作戦、防衛産業の協力および国連海洋法条約の支持などについて話し合った。
岸防衛大臣は2021年9月初旬にハノイでベトナム国防相のファン・バン・ザン(Phan Van Giang)大将と会談し、インド太平洋の安定へのより積極的な貢献を含めた両国の防衛協力の再定義について話し合った。 岸防衛大臣は就任1年目を振り返り、日本の防衛力を高めることが重要な焦点であると記者に語った。新たな脅威に対抗するため、国家は宇宙、サイバー空間や電磁スペクトルといった進化する領域における能力を強化しなければならない。
「防衛分野における技術的優位性」を達成するには、より多くの防衛予算が必要であると述べている。 ロイター通信によると、日本の防衛省は年間支出で2.6%の増加を求めており、防衛予算の概算要求は5兆4797億円(499億3000万米ドル相当)という過去最高額に達している。
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