中国による領土への継続的な侵犯の合法性に挑戦し続けており、その頻度は過去1年間で増大している。日本、マレーシア、フィリピン等はこうした侵入に対して最近外交的な訴えを行っている。
AP通信が報じたところによると、中国の海警局の艦艇が東シナ海にある尖閣諸島近辺の日本の領海を侵犯し、数日間離脱することを拒否したことを受け、2021年10月中旬に日本は公式抗議を行った。
岸信夫防衛大臣は、中国の海警局の艦艇が日本政府からの抗議にもかかわらず日常的に日本の領海を侵犯している東シナ海での「武力による現状変更の継続的な試み」は容認できないと述べている。
日本が何十年にもわたって領土として管理している尖閣諸島を中国は釣魚島と呼び、領有権を主張している。
岸防衛大臣は9月中旬CNNに対して「尖閣諸島や東シナ海の他の海域における中国の侵犯行動に対して、中国船よりも多数の海上保安庁(JCG)艦艇を展開して日本の領海・領土を防衛する日本政府の断固たる姿勢を示す必要がある」と述べている。
デイリー・メールのウェブサイトでは、中国海警局の艦艇の侵犯を受けて9月下旬に日本が抗議したと報じられている。
声明によると、2021年10月初旬マレーシア外務省は「サバ州とサラワク州沖のマレーシア排他的経済水域(EEZ)に調査船を含む中国艦船の出没と活動に対して抗議を行った。」同声明によると、当該船は現地の法律および1982年の国連海洋法条約に違反していた。
ロイター通信によると外務省は、「マレーシアの一貫した立場と行動は当国の海域における主権および主権的権利を擁護するための国際法に基づいている」と述べている。
マレーシアキニ(Malaysiakini)ニュースウェブサイトによると、9月に中国自然資源部が所有する調査船大洋號(Da Yang Hao)がマレーシアのEEZ内に入った。共同通信社が報じたところによると、当該船はマレーシアの国営石油探査会社が派遣した掘削船を追跡していたとされる。
BenarNewsの報道によると、マレーシアの抗議はフィリピンのテオドロ・ロクシン・ジュニア(Teodoro Locsin Jr.)外交部長菅が2021年9月下旬に南シナ海のフィリピンが領有権を主張している海域に100隻以上の中国船舶が引き続き存在しているとして中国政府に外交抗議活動を展開した直後に行われた。
フィリピンは2021年初頭に自国のEEZに対する中国の侵入に対し抗議デモを毎日行った。 中国はインド、インドネシア、ネパール、台湾を含むインド太平洋地域の他の多くの国や地域の領土に侵入し続け、それぞれの国の指導者が国益を守らなければいけないように圧力をかけている。
追跡データによると、2021年10月に中国の調査船海洋地質10号(Haiyang Dizhi 10)がインドネシアのEEZに侵入した。BenarNewsが報じたところによると、インドネシアの資源調査パートナーが契約した潜水リグが評価井を掘削している油田やガス田の近くで、中国の船舶を海警局の艦艇が護衛しているのが目撃されている。
インドネシア海洋正義イニシアチブ(Indonesia Ocean Justice Initiative)の研究者であるイマム・プラコソ(Imam Prakoso)氏はBenarNewsに、「この船[海洋地質10号]はここ1ヵ月間このエリアから出たり入ったりしていたため、特に調査活動を行っていた可能性は低いです。今までのパターンを見ると、1ヵ月を通して活動するものです」と語った。
インドネシアは外交上の抗議は行っていないものの、ジョコ・ウィドド(Joko Widodo)インドネシア大統領は同国軍に対し、「主権の侵害、海上での天然資源の窃盗、改革主義やテロリズムに加えサイバーおよび生物学的脅威」を含む様々な脅威に対抗する準備ができていると述べた。
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