米バイデン政権、マルクス主義ゲリラ組織を外国テロ組織指定から除外か デサンティス州知事ら反発

2021/11/29
更新: 2021/11/29

米フロリダのデサンティス州知事は24日、マルクス主義ゲリラ組織・コロンビア革命軍(FARC)を外国テロ組織指定から除外するバイデン政権の計画ついて、同州のコロンビア系米国人コミュニティに対する「侮辱」だと批判する声明を発表した。同政権は11月下旬から12月初旬までに除外措置を実施するとしている。

デサンティス氏は、FARCが富の再分配の名のもとに「無数の殺人や、誘拐、攻撃を行った」と指摘し、バイデン政権の計画は「FARCの野蛮なテロリスト攻撃からフロリダに逃れてきたコロンビア系米国人を苦しめることになる」と計画の廃止を訴えた。さらに外国テロ組織指定からの除外により、ラテンアメリカのテロリストを増長し、麻薬密売人の勢力を拡大する恐れがあるとして、治安悪化についても懸念を表明した。

コロンビア革命軍(FARC)は麻薬取引や誘拐による身代金を資金源とし、富裕層から貧困層への富の再分配を唱える反政府武装組織だ。FARCは2016年、半世紀以上にわたるコロンビア政府との内戦を終結させる和平協定に署名したものの、今なお数百万人が故郷を追われる身となっている。数十万人の命が奪われ、2001年に誘拐された日本人も犠牲となった。

声明の中では同州のヌニェス副知事も「米国の利益を損ね、同盟国を弱体化させるだけでなく、キューバのディアスカネル大統領やベネズエラのマドゥロ大統領のような専制君主をなだめることになる」と述べ、テロリストとの和平交渉は不可能だと強調した。

ワシントンポストによると、プライス報道官は23日、FARCとコロンビア政府が結んだ和平協定は「重要な転換点であり、米国はこれを維持しようと努めてきた」と発言したものの、FARCに対する今後の対応については明言を避けた。

米国をはじめ国際関係担当。