萩生田光一経済産業相と米エネルギー省グランホルム長官が6日に行ったオンライン形式の会談で、日米は原子力分野での協力継続のなかで、米国内で計画中の小型モジュール炉(SMR)や高速炉の実証に協力するという日本政府の取組を確認した。
2050年の脱炭素に向けて、高速増殖炉は使用済み核燃料を使って効率良く発電できる次世代の原子炉の一つと期待されている。日本では福井県の高速増殖炉「もんじゅ」や茨城県の「常陽」などの技術を保有する。
萩生田氏は7日、米国の高速炉開発に日本も貢献できるとの考えを示した。
「常陽やもんじゅで培った知見は失敗も含め技術的な面で非常に世界的にも評価された仕組みだ」「原子力の人材育成や研究は世界と比較しても劣っていない」と萩生田氏は述べ、日本の技量を海外の高速炉で生かすことができるとした。
外務省によると、日米会談では2050年カーボンニュートラルや2030年削減目標達成に向けた取り組みや、水素や原子力等の幅広いクリーンエネルギー分野でのイノベーション・社会実装など、日米の協力について意見交換した。
新エネルギーへの開発投資と成長促進が世界的に進むなか、欧州連合(EU)は原子力をグリーンエネルギー分野とみなす方針を示した。欧州委員会は1日、原子力発電を「グリーンエネルギー」としてステータスを付与することを発表。2050年までに脱炭素社会の達成にむけて、持続可能な経済活動の目的とした「EUタクソノミー」には原子力発電と天然ガスを含めるとした。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。