中国人権活動家郭飛雄氏、米で闘病中の妻が死去 出国認められず

2022/01/11
更新: 2022/01/11

中国の著名な人権活動家郭飛雄氏の妻が1月10日、米国の病院でガンのため死去した。郭氏は現在、当局に拘束されているとみられる。支援者らは中国当局に対し、郭氏の渡米を認めるよう求めている。

昨年1月28日、大腸がんの手術を受けた妻・張清氏の看病のために出国しようとした郭氏は、上海浦東国際空港で「国家の安全を脅かす」との理由で中国当局に連行された。

張清氏は11月26日に中国政府宛の嘆願書で、自分が危篤状態にあるため、夫の出国を許可するよう求めた。

郭氏自身は3日後の同29日、李克強首相宛ての公開書簡で出国の許可を求めたが、12月5日から行方不明になっている。

米国営放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、郭氏は同日、友人に「拘束された」というショートメッセージを送った後、連絡が取れなくなった。

現在ワシントン在住の中国の盲目の弁護士、陳光誠氏は「私の経験上では、彼は中国政府に投獄された」と話した。

張清氏の死去を受け、米キリスト教徒擁護の国際人権団体「中国援助協会」会長のボブ・フー氏は声明を発表し、葬儀の準備などで中国政府に対して郭氏の渡米を許可するよう求めた。

郭氏は、1989年6月4日の学生らの民主化運動「天安門事件」に参加し、中国政府に弾圧されている気功団体・法輪功の学習者を支援するなど、長年にわたって社会弱者の人権問題に取り組んできた。当局に4回ほど拘束され、2回懲役刑を言い渡され計11年の獄中生活を送った。2006年、2人の子どもを連れてタイに亡命した妻は、09年に米国政府に政治保護された。この15年間、家族は一度も再会したことがない。

(記者・李辰、翻訳編集・叶子静)