ロシアのウクライナ東部2州独立承認 主権侵害で国際法違反=政府

2022/02/22
更新: 2022/02/22

ロシアのプーチン大統領が21日、ウクライナ東部の親ロシア派2地域の独立を承認すると表明したことを受けて、政府は「ウクライナの主権および領土一体性を侵害し国際法に違反するものであり、決して認められるものではない」として非難を表明した。

プーチン氏は、「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認する大統領令に署名したほか、軍事基地の使用及び建設の権利をロシア軍に与える友好協力相互支援協定に署名した。

林芳正外相は22日の記者会見で「我が国としてあらためて事態の展開を深刻な懸念を持って注視していく。G7(主要7カ国)をはじめとする国際社会と連携し、制裁を含む厳しい対応につき調整を行う」と述べた。

松野博一官房長官によると在留邦人の生命や身体に被害が及んでいるとの情報は入っていない。引き続き在留邦人に速やかな退避を呼びかけるほか、近隣国にチャーター機を手配するなど邦人保護に全力を挙げている。

在ウクライナ日本大使館は22日、重ねて在留邦人への退避を呼びかけた。通知では「ドンバス地域で先週末から武装勢力側からの攻撃回数が急増し、現在も戦闘行為が繰り返し行われている」とし、今回の2州独立承認といった「ロシアの一方的な決定により、更に戦闘が激化するとともに戦闘地域が拡大する可能性を排除できない」と危機感をあらわにした。14日には西部リビウに臨時の連絡事務所を開設した。

米ホワイトハウスのサキ報道官は21日、ロシアによるウクライナの同2州独立承認を受け「米国人による新規投資や貿易、資金調達を禁止する大統領令を間もなく発令する」と発表した。侵攻に踏み切った場合に米国と同盟国が策定している「迅速かつ厳しい経済措置」とは異なると付け加えた。

米政府高官は同日、ロシアの「平和維持軍」派遣指示はより広範な制裁を発動するような侵攻には相当しないと述べた。いっぽう、全面的な侵攻はいつでも起こり得るとした。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。