中国共産党の執拗な洗脳宣伝にどう対処するか

2022/03/07
更新: 2022/12/24

「権威を盲信することは、真実の最大の敵である」とアルベルト・アインシュタインは言った。

中国共産党(CCP)の究極の目標は、中国国民、そしてできるだけ多くの外国人に、北京の最高指導部のあらゆる発言を疑うことなく盲信させ、その過程で真実を破壊することである。

中国共産党のプロパガンダに対抗する目的と方法

中国共産党は豊富な資金や至る所に張り巡らせた宣伝網を持っている。さらに、中国共産党のプロパガンダを増幅する他国の多くの中国共産党支持者(有償・無償)、そして世界中のその他の無秩序な宣伝の声を考えると、中国共産党のプロパガンダに対して統制のとれた対抗を行うのは愚かなことだと思われるだろう。

しかし、今必要なのは、まさにこれである。つまり、中国共産党の嘘にその都度迅速に対応できる柔軟で結束力のあるカウンター・プロパガンダ・ネットワーク(反宣伝網)を構築することである。

まず、中国共産党の洗脳プロパガンダと戦う目的を紹介する。

  • 真実を伝える(真実はバターを切る熱いナイフのように嘘を切り裂く)
  • 嘘をなくす(強力な反論は、多くの人が嘘を暴くことを後押しする)
  • 手始めに西洋社会の原理と中国共産党の宣伝方法を大衆に教育する
  • さらなる攻撃性と好戦性を抑止する(カウンター・プロパガンダは一種の抑止力である。嘘を突きつけることで真実が明らかになり、欧米の指導者は中国共産党の侵略を阻止するために具体的な外交行動をとることが可能になるからだ)
  • 抵抗運動の国際化(多くの国からの反撃は非常に効果的である)
  • 中国共産党のプロパガンダを広める人々を摘発する(中国共産党を支持する政治家、メディア、学者など)
  • 政府の違法性と検閲を暴露する(中国共産党のように常に嘘をつく政府は、時間が経つにつれてますます合法性を失う)
  • 現状を批判する(中国国民および、中国共産党との継続的な関わりを支持する外国人をターゲットに政治的変化への意識を高める)

中国共産党の洗脳プロパガンダを打ち破るカウンター・プロパガンダ・ネットワーク(反宣伝網)をどう構築するか?このようなネットワークは、自由世界のリーダーであり、開かれた民主主義国家であり、シリコンバレーやハリウッド、一流大学の本拠地である米国が主導する必要があるだろう。

このネットワークは、ドナルド・トランプ前米大統領が率いる新興メディア企業Trump Media & Technology Group(TMTG)の下で統合できるかもしれない。この6年間ほど、トランプ氏はソーシャルメディアを通じて、攻撃に対して効果的かつ迅速に対応できることを証明してきた。彼の戦術的な目標は、基本的に政敵の攻撃に即座に対抗し、事実を明らかにすることである。これはまさに、中国共産党のプロパガンダに対して有効な戦術である。

トランプ氏のメディアグループTMTGが主導的な役割を果たすにせよ、分散して機能的に連携するにせよ、協調的なカウンター・プロパガンダ・ネットワークの要素には以下のようなものがある。

  • 左寄りのビッグテック企業による検閲を阻止するための、独立した基幹通信網を備えるフロントエンドのテレビニュースネットワーク
  • ビッグテック企業に検閲されない、ユーザーフレンドリーな独立系ソーシャルメディアネットワーク
  • インターネットやマルチメディアを利用した、中国共産党のプロパガンダに対抗するためのオンライン上の複合的な取り組み(マルチメディアと動画は情報発信に重要な役割を果たす。特に40代以下では、日々のニュースや情報を動画などのマルチメディアに依存する傾向が強まっている)
  • 中国共産党のプロパガンダを観察し、暴き、反論することに重点を置くアナリスト組織(米国民主党はこのような組織のネットワークを作り、政治的な言論を誘導している。これらの組織には、Media Matters、MoveOn、Poynter Institute、ActBlueなどがある。ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、CNN、 MSNBCなどの左派メディアや民主党議員は、これらの組織をしばしば引き合いに出し、民主党の政治的影響力を拡大させているのである)

中国共産党や米民主党(両者は近年ますます似てきている)のプロパガンダに効果的に対抗するために、以下の保守系組織が積極的な役割を果たせる。

メディア・リサーチ・センター(MRC)は1987年の設立以来、「伝統的なメディアの嘘を監視し、正す」ことに取り組んできた。その目的は「米国人のリベラル系メディアへの見方に強い影響を与えるマスメディアと大衆文化の左翼的偏向を排除すること」である。

「Discover the Networks (DtN )」は、2004年にデイヴィッド・ホロウィッツ氏が設立した、左翼思想を信奉する個人や団体の資料を検索するサイトである。その目的は、「左翼を構成する個人と団体、そして彼らに資金を提供し支援する機関を特定し、左翼が政治全体に影響を及ぼす経路を明らかにし、(しばしば隠された)左翼のアジェンダを定義し、左翼の歴史とイデオロギーを理解すること」とされている。また、データベースを拡充し、中国共産党やその国営メディア、親中共派の欧米人の動きに関する関連コンテンツを追加することが出来る。

独立系ニュースメディア 「Just the News」:このメディアは、従来の大手メディアが信頼性に欠けると広く認識されていた時期に誕生した。政治的に腐敗した従来のメディアと区別するために、編集者のコメントやバイアスを排除した「単なるニュースを伝える」ことを目指している。

保守系の行政監視団体「ジュディシャル・ウォッチ(Judicial Watch)」:1994年に設立され、民主党をはじめとする左翼団体の嘘に対抗することに力を注ぐ、最も効果的な中道右派活動団体の一つである。公式サイトによると、「Judicial Watchは、政府、政治、法律における透明性、責任、誠実性を促進する保守的で無党派の教育財団であり、訴訟、調査、教育普及活動を通じてその教育的使命を果たしている」という。Judicial Watchには、中国共産党による米国政府・機関への浸透を監視し、そのカウンター・プロパガンダ・ネットワークの一翼を担うことを期待できる。

草の根組織:2009年から始まった保守系の市民運動ティーパーティー(茶会運動)以降、米国政治界では中道右派の活動家組織が多数出現している。例えば、Restore Liberty, American Majority, True the Vote, Campus Reform, Veterans for Fairness and Merit, Alabama Freedom PACなどがある。これらの団体のメンバーの多くは、中国共産党の脅威をますます意識している。

政府系組織:米公共ラジオ局(NPR)、国営放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)、国務省国際広報局(GPA) などが含まれる。米国の世論は、これらの組織が中国共産党のプロパガンダに立ち向かい、それに対抗するために、より強力で積極的な行動を取るよう後押しする必要がある。なぜなら、これらの組織はいずれも中国共産党や左翼勢力に浸透されているからだ。

最後に、米国とその同盟国が中国共産党のプロパガンダに対抗するために使える3つの重要な「切り札」を提示する。

まず、ユーモア、皮肉、風刺作品(そして掛け言葉)を使うことは、中国共産党の嘘を払拭するのに非常に効果的である。このような形で真実が急速に広まることは、中国共産党にとって極めて不都合なことである。

第二に、欧米のポップカルチャーや文化的アイコンは、ソーシャルメディアを通じて、カウンター・プロパガンダのメッセージを迅速かつ広範囲に拡散することができる。

第三に、以前親中派だった人々が、中国共産党の脅威を目の当たりにして、次第に考えを改めている。したがって、正しい言動をする人、特に中国共産党政権を支持する過去の発言や立場を放棄した人をもっと評価する必要がある。その良い例が、CNNの司会者ジェイク・タッパーで、昨年12月の番組で、ハリウッド、シリコンバレー、NBAが中国マネーに「目がくらみ」、中国共産党の人権侵害を無視していると非難したことだ。

おわりに

1949年以来、世界中に中国共産党のプロパガンダ(嘘)が氾濫している。今日まで、このプロパガンダに対抗するために西側諸国が協調的かつ統制のとれた対応をとったことは一度もない。習近平政権と彼の官僚がますます攻撃的になっていることは、中国共産党のプロパガンダに対抗するのが急務であることを示している。

トランプ前米大統領が率いるメディア企業TMTGは、中国共産党の洗脳プロパガンダに対抗する起爆剤になり得る。そして、既存の多くの保守系組織と組み合わせ、賢明なリーダーシップとビジョンを持ったカウンター・プロパガンダ・ネットワークを構築することができるだろう。

執筆者プロフィール

ステュー・クヴルク(Stu Cvrk)

米海軍で30年間、現役および予備役としてさまざまな任務に就き、中東と西太平洋で豊富な作戦経験を積んだ後、大佐として退役した。海洋学者、システムアナリストとしての教育や経験を経て、米国海軍兵学校を卒業し、古典的なリベラル教育を受け、それが彼の政治評論の重要な基盤となっている。

オリジナル記事:英文大紀元「How to Counter Beijing’s Relentless Propaganda Campaign

(翻訳編集・王君宜)

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。