中国に軍事技術を不正輸出 米軍事企業元CEOと弟を起訴=米司法省

2022/03/07
更新: 2022/03/07

米司法省は4日、米国の機密技術を中国などに不正輸出したとして軍事請負会社タングステン・ヘビーパウダー・アンド・パーツ(THPP)の元最高経営責任者(CEO)ジョー・セリー被告と弟のドロール・セリー被告を国際武器取引規則(ITAR)に基づく米国輸出法違反で起訴した。

サンディエゴに拠点を置くTHPPは、希少金属であるタングステンで作られた破片や兵器級の部品を米軍に供給している。

起訴状によるとジョー被告は社外用メールアドレスを作成し、ITAR管理データなどの機密情報へのアクセス権をドロール被告に提供した。後に両者は米国の承認なしに機密技術図面などの軍事情報を「故意に」中国やインドに輸出していたとされる。

ジョー被告は7日に連邦裁判所で罪状認否が行われる予定。ドロール被告は逃亡中で現在逮捕状が出ている。司法省資料によればドロール被告はイスラエルにいるとされる。

ITARは、米国軍事品目リスト記載の製品や技術などの輸出や国内で防衛技術データを外国人へ提供することを規制している。違反した場合は100万ドル以内の罰金または20年以内の禁固刑に処される。

検察によると、THPPは2016年から2019年にかけて、複数の航空宇宙・防衛企業と契約を結び、高度即応兵器や155ミリ・バイモーダル弾頭などの開発に関わるプロジェクトに取り組んでいた。

ランディ・グロスマン連邦検事は「機密情報が米国に危害を及ぼす者の手に渡らないようにするための重要な規制」を無視したと非難し、軍事技術を保護するため法執行機関と協力していくと強調した。

米国をはじめ国際関係担当。