日本で始まったXBB対応ワクチン接種、米国では当局者が接種しないよう呼びかけ

2023/09/23
更新: 2023/09/23

20日、生後6か月以上のすべての国民を対象とした新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。オミクロン株「XBB.1.5」系統に対応して改良された、米国の製薬会社ファイザー製とモデルナ製のワクチンが使用される。

XBB.1.5は昨年末に米国で発見された変異ウイルスだ。9月現在、都内の感染状況ではXBB.1.5を含むXBB系統が主流を占めるが、この夏に増加した「EG.5(通称エリス)」も全体の4割にのぼっている。

厚生労働省はこの最新のワクチンについて、マウスを用いた非臨床試験で有効性が確認されたと説明している。

19日、厚生労働省はこの「秋接種」に伴い、これまでの従来株などに対応したファイザー製とモデルナ製のワクチン合わせて8630万回分を順次廃棄すると発表した。購入単価は公表されなかったため、全体の費用は明らかになっていない。

新たなワクチン接種は「赤信号だらけ」、米フロリダ州が警鐘

7日、米フロリダ州のジョセフ・ラダポ公衆衛生局長は、この新たなワクチン接種を見合わせた方がよいと記者会見で述べた。米国では11日に米食品医薬品局(FDA)がXBB.1.5対応ワクチンを承認し、翌12日に米国疾病管理予防センター(CDC)がほぼすべての人にこの追加接種を推奨する声明を発表した。

米フロリダ州のジョセフ・ラダポ公衆衛生局長 (York Du/The Epoch Times)

ラダポ氏は「予防接種が人々に有益であることを示すヒトを対象とした臨床試験はない。安全であることを示す臨床試験もない」と指摘。ワクチンの有効性が時間の経過とともにマイナスに転じることを指摘した研究論文を引き合いに出し、「赤信号だらけだ」と呼びかけた。

20日、ラダポ氏はEPOCH TVのインタビュー番組「米国思想リーダー」に出演し、以下のように述べている。

「最初の臨床試験は大規模だったが、期間が短すぎた。その後の研究はいずれも、規模や期間において、ワクチンの特性を本当に理解するのに十分ではなかった」

「臨床試験は行われていないというのが現実だ。FDAが3年近く前に実施した臨床試験を今だに判断理由にしていることは、馬鹿げていると言っても過言ではない。3年前とは免疫も、ウイルスの病原性も、引き起こす症状の深刻さも全く異なっている」

ラダポ氏によると、追加接種の有効性がマイナスに転じていることを示す研究が世界中で出てきているという。つまり、追加接種を受けた人は受けてない人と比べて新型コロナへの感染リスクが高くなるということだ。

またラダポ氏は、心筋炎や耳鳴りなどさまざまな副作用が出てきているにもかかわらず、十分な議論がなされていないことを指摘した。

それに対し、番組司会者のヤン・エキレック氏は、自身がプロデューサーを務めたドキュメンタリー作品『水面下の危機:見過ごされたワクチン後遺症患者たち』に言及した。エキレック氏によると、コロナワクチンによる後遺症を負った人々が世間から蔑ろにされているなか、有志の後遺症患者の救済プロジェクト「React19」が立ち上がり、症状の8割が神経系の問題であることなどを指摘しているという。

 

日本のワクチン後遺症患者、国や製薬会社などを提訴

日本でも、ワクチン後遺症を負った人々が声を上げている。

最新のワクチン接種が始まった20日、神奈川県に住む40代の女性が、夫とともに国と自治体、製薬会社に6千万円余りの損害賠償を求める訴えを起こした。同日、NHKもこのことを報じた。

原告女性は提出書面のなかで、新型コロナワクチン接種後の後遺症で生活に支障を来したと主張している。女性は5月、予防接種法に基づく国の健康被害救済制度の認定を受け、医療費などの支給を受けている。

しかし、救済制度の認定を受けるまでに2年近くかかったほか、認められた以外の症状も出ているという。

「ワクチンによる後遺症で苦しんできた苦悩の日々、かけがえの無い大切な時間を返して欲しい!」と書面で訴えた。

大紀元報道記者。東京を拠点に活動。