中国人の中共認識変化により 中流家庭のタイ移住ブーム

2024/02/07
更新: 2024/02/06

3年にわたるゼロコロナ政策によって多くの中国人が中共(中国共産党)の本質を認識した。海外移住を選択する人が増えており、ビザ取得が難しい欧米諸国と比べ、取得が容易なタイが第一候補となっている。

タイに移住する中国人が増えている

定年退職後タイに移住し、子供を連れてタイに移住する中国富裕層が増え続けている。昨年10月下旬、「タイ移住」の検索数は1日で30万件を超えた。

タイ移住のメリットとして、国民の9割以上が仏教を信仰しており、外国人嫌いではないこと、一年中、夏のような気候で、自家栽培の野菜を食べることができ、中国国内の「城管」のような治安要員もおらず、自由に露店を出店することができること、物価が安く、のんびりした生活を送ることができるなどが挙げられる。

アライバルビザ(15日)、観光ビザ(2、3か月)、ビジネスビザ(3か月)に加え、タイには学生ビザ、就労ビザ、随行学生ビザ、高齢者ビザなど1年以上滞在できるビザが豊富にあり、1年の期限が過ぎても更新が可能だ。

「お金さえかければ、タイに滞在するのに適切なビザを見つけることができる」と、タイの事業主である盧氏はエポックタイムズに語った。

タイの住宅価格は中国の数分の一であり、住宅の質も高い。タイのマンションではプール、ジム、サウナ付きは一般的だ。購入制限も少なく、タイを旅行しているだけで家を購入でき、買ったら恒久的な所有権を持つことになる。

中国系タイ人の楊氏によると、一部の中国人中産階級はタイで多くの家やマンションを購入しており、民泊、観光目的の短期レンタルや長期レンタルに使っている。家賃を徴収することで自活できるだけでなく、金儲けもできる。

楊氏はタイの家は、何世代にもわたって自分のもので、 欧米では固定資産税が非常に高いが、タイは非常に安く、「タイの中国人コミュニティも非常に大きく、基本的にタイ語を一言も話さなくても、ここで働き、長く暮らすことができる」と説明した。

3年間にわたるパンデミックによって 中国人は目覚めた

3年間の流行は、多くの中国人、特に上海市民を目覚めさせた。2019年の香港民主化運動への弾圧は中国人民から遠く離れたものだったとすれば、パンデミックで多くの上海市民は中共の鉄拳を実際に経験した。定年退職者の中には、欧米では老後の費用や移民するのも難易度が高く、言葉も通じず、日本もなじめないと感じ、最終的にタイに移住したのだ。

2022年3月末から中国・上海市で実施されてきた封鎖で、多くの人々が目を覚まし、中国には基本的な自由や権利がないこと、安全な場所がないことに気づいた。

2022年4月3日、中共首魁の習近平がゼロコロナ政策を厳格実施すると発表した同日、中国では移民に関する検索が440%も急増し、2022年末までに、約11万~13万人ぐらいの新たな中国人移民が、ビジネス、教育、年金、レジャーなどさまざまな目的でタイに定住することになった。

最も恩恵を受けたのはシンガポール・インターナショナル・スクール・オブ・バンコク (SISB)で、昨年3月の中国人学生の受け入れ数は2022年の同時期と比べて2倍以上に増加した。 入学者数の急増により、同社の株価は過去12か月で216%急騰した。

盧氏はエポックタイムズに対し、タイに定住する上海人が増えているとし、「ここのとても有名なインターナショナル・スクールは、入学した300人の新入生の半数以上が上海からの留学生だと聞いている」と語った。

「上海市の3か月の都市封鎖を受け、これらの上海人は絶望している。このような人の多くがタイに移住している」

楊氏はある観光客の話を教えた。その観光客はコロナ流行する前、中国が良くないと言われたらすぐに怒っていたが、今は真っ先に逃げ出した。40歳を過ぎた彼は、妻と子供を連れてタイに移住したのだ。

「みんなが過去を振り返り、考え直し始めている。全世界がパンデミックで大変な中、なぜ中国だけがこのような悲惨状況なのか? ロックダウン期間中、一般人に配られた野菜は腐ってしまい、一方で役人たちはいい品質の野菜を大量に持っていた。一般市民は高い値段を払っても良い野菜を入手できなかった。これらの状況を人々は目にしている」

「中国の人々は流行前は、中国は比較的よくて、まだ希望があると思っていたが、今回のコロナ禍を経験して、中共の本質を認識できるようになった」

海外移住を計画している聞氏はエポックタイムズの取材に対し、中国では現在、民間企業はもちろんのこと、政府機関でさえ給与の支払いが遅れており、業績給がカットされていると語った。

同氏によると、最近、融通の利く人たちは、中共のこうした傾向を見て移民を考えるようになり、もはや何のためらいもなく行動を起こしている。

中共には希望がない

多くの中国人はすでに文化大革命の新ラウンドを感じ取っている。中共は閉鎖に舵を切り、時代は変わり、早く逃げないと手遅れだと人々は心配している。

中国からの富裕層の海外移住が増加している。富裕層の調査会社New World Wealthによると、中国は2022年に合計1万800人の億万長者を流出し、2023年にはさらに1万3500人が移住したと予想されている。

楊氏によると、多く親たちは家族滞在ビザで、子供を連れてタイに移住した。

「タイには、中国人の子供を受け入れて、中国語、英語、タイ語を教えるインターナショナルクラスがたくさんある。 タイに数年留学している普通の子供は、中国語、英語、タイ語がとても上手だ。一部の親にとってはとても魅力的だ」

発展の観点からだけ言えば、中共統治下の中国には希望がない。みんなは中共には希望がないとわかっている。他の国に行くのが難しいなら、少なくともタイはあらゆる面で中国より優れていると指摘した。

事業主である盧氏は、現在中国を離れることができる人は誰もがそうしていると語った。

「中国の政治環境は悪く、人権も自由も人間としての尊厳もない。中国での生活の質は非常に悪い。また、経済が下降線をたどり、多くの人々が仕事やビジネスがうまく行かないなど、現実的な問題もある」

「子供の教育問題、物価高、食品安全問題、大気汚染など、中国での生活は非常に居心地が悪く、絶望的なものとなっている。 外に出て外の世界を見れば、外国で暮らすことがとても楽しいことだと自然に理解できるだろう。人生も希望に満ち溢れると感じられる」

聞氏は、中国共産党の国運が既に衰退し、現在の状況はますます悪化していると述べた。「共産党はもはや逆転の余地がなく、あらゆる面で崩壊している。つまり3年か5年(で解体する)ということだ」

宋唐
易如