TSMC、子会社JASMに52億6200万ドル増資 熊本第2工場も2027年稼働へ

2024/02/07
更新: 2024/02/07

半導体世界最大手の台湾積体電路(TSMC)は6日、取締役会で子会社JASMに対して52億6200万ドル(約7800億円)増資すると発表した。トヨタ自動車も出資する。熊本県で第2工場の建設を今年末に開始する計画も明らかにされた。

JASMは、熊本県に建設し、ソニー半導体ソリューションズ、デンソー、トヨタ自動車からの出資を受けるTSMCの主要子会社。今回の増資は、JASMの拡張、製造能力の向上、技術開発を支援する目的で行われる。第2工場は、2027年末までに稼働を開始する予定だという。

TSMCは、この戦略的投資により「JASMを熊本県における半導体製造の中核として位置づけ、先端技術を駆使した半導体供給能力を強化する」考えを示している。

今月24日には、熊本の第1工場の開幕式が行われ、創業者の張忠謀(モリス・チャン)氏が出席する可能性がある。TSMCは米アリゾナ州およびドイツのドレスデンで工場建設計画を進めているが、熊本の第1工場は第4四半期に量産を開始するため、同社の海外拠点の中でも特に迅速に進んでいる。このため、同社幹部が揃ってこの歴史的瞬間に立ち会うとみられる。

JASMへの総投資額は200億ドル(約2兆9751億円)を超え、日本政府も補助金によって支援している。第1工場では12ナノメートルから28ナノメートルプロセスの製造が、第2工場では7ナノメートルまたは16ナノメートルプロセスの生産が予定されている。

2つの工場を合わせると、熊本では月間10万枚以上の12インチウェハの生産能力を備え、自動車を含む多岐にわたる産業への半導体供給が可能となる。また、これらの施設により熊本では3400人以上のハイテク専門職の新たな雇用が創出されることが期待されている。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。