外交 外務大臣会見

2月7日北方領土の日 平和条約締結方針堅持、上川外務大臣

2024/02/07
更新: 2024/02/07

 昨日の2月6日、上川外務大臣が会見、北方領土をめぐる日本の立場についての記者の質問に対して以下のように答えた。なお本日、2月7日は『北方領土の日』である。

〇 領土:
北方領土(歯舞色丹択捉島国後島の4島)は、我が国が主権を有する島々であり、我が国固有の領土だ。このロシアによる北方領土の占拠については、法的根拠がなく、不法占拠されているという立場である。このような北方領土の不法占拠は、我が国として受け入れられるものではない。

〇 現状の膠着状態の打開策:
残念ながら、現在平和条約交渉について、何か具体的に申し上げられる状況にはない。
政府としては、北方領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持する。
また、元島民の高齢化が進む中、政府として北方墓参の再開を強く求めたが、ロシア側の肯定的な反応はまだない。

〇 我が国漁船による安全操業
政府間の交渉が途絶え、双方とも良好な関係とは言えない状況で、北方四島周辺水域操業枠組協定、これは、北方四島周辺水域において、我が国漁船による安全操業を実現するものとして、大変重要な意義を持つ。
 こうした観点も含め、政府は、様々なレベルでのロシア側への働きかけを続けてきており、残念ながら、ロシア側から、これらの再開に向けた肯定的な反応は得られていないという状況だ。

北方四島、歯舞、色丹の2島を返還すると明記した日ソ共同宣言は1956年(昭和31年)10月19日に日本国とソビエト連邦がモスクワで署名し、同年12月12日に発効した条約。 これによって両国の国交が回復して外交関係も正常化したが、国境確定問題(北方領土問題)は先送りされた。

ロシアは、ウクライナ侵略開始の1か月後の2022年3月に、日本の対露制裁等を理由に、日本との平和条約に関する交渉を継続するつもりはないと一方的に発表。この状況は、現在も続いている。

元島民たちはすでに88歳以上だ。
  (Photo credit should read KAZUHIRO NOGI/AFP via Getty Images)