7日、日本を巡回公演中の神韻芸術団が、北海道の札幌文化芸術劇場hitaruで昼と夜の2公演を行った。米ニューヨークを拠点とする神韻芸術団は、中国で失われた伝統文化の復興を掲げ、世界各国の劇場で上演している。2006年の芸術団創設以来初となる北海道での2日間全4公演とも満席の盛況となった。
劇場外はうっすらと雪が降り、北国の寒々とした冬景色が広がっていたが、世界最高峰を誇る中国古典舞踊の煌きに、劇場内は一足早い春のような暖かさに包まれた。
実業家「幕が開いた瞬間から鮮やか、パワーを感じる」
「期待通り本当に素晴らしかったです。パッと幕が開いた時にすごく鮮やかで、下にはスモークが焚かれていて、 その一発目の印象がすごく強かったですね」。そう語ったのは、この日の昼公演を鑑賞した実業家の猪俣將哲さんだ。
エネルギー溢れる舞踊から、和やかな優しさを感じたという。「とにかくすごく練習されているでしょうし、 努力されているなと思います。パワーを感じました」
東洋と西洋の魅力を併せ持つオーケストラは、神韻の見所の1つだ。「素晴らしかったです。ハープもあれば二胡もあり、ホルンやバイオリンなど一般的な楽器もいろいろあったと思いますけど、 やはり中国の文化が感じられる音楽ですごく聴きやすかったです」と語った。
「二胡を生で聴くのは2回目ぐらいなんですけど、席も目の前で見ることができましたし、あんなふうに2本の弦だけでいろんな表現ができるのは素晴らしいなと思いました」
独唱曲の演目では、神仏への畏敬や天人合一といった中国古来の価値観が歌われる。「声量がすごくて、もうびっくりしました。宇宙の真理のようなことが歌詞に書いてあり、宗教性が出ていた。良かったと思います」と猪俣さんは受け止めた。
「時代の流れに負けない信念感じる」不動産会社長が絶賛
この日、不動産会社社長の川原田義和さんが昼公演を鑑賞した。「エネルギーに圧倒されました。あのような飛び抜けた跳躍や回転技ができるまでに、相当な苦労があったと思うんですよ。それを乗り越えた皆さんが、息を合わせた綺麗な演技を世界中に見せている。そのことが本当に素晴らしいと思います。ありがとうございます」と感激を口にした。
「西遊記には非常に馴染みがありますので、孫悟空が頑張る姿は非常に楽しめました」と語った川原田さん。ステージ後方のデジタル背景幕に映る鮮やかな景色に演者が飛び込む仕掛けは、見る者をあっと驚かせる。「後ろの3Dと現実が上手く切り替わるのが非常に楽しくて、 よくタイミングが合うなと思いました」
「中国五千年の古来からの舞踊が、今世界にあるバレエや日本舞踊などの基礎となっていると感じました。静と動でいうと日本は静ですが、神韻は躍動感があり、目を見張るものがありましたね」
神から伝えられたとされる中国伝統文化の復興が、神韻の使命だ。「人々の心と宇宙や神とのつながりをしっかりと表現していますね。なかなかできることではないので、すごいと思います。世界中の人々が神韻を見て、あぁ素晴らしいと感動すると思うので、それが世界平和に繋がればと思います」
今年で創設18年目を迎える神韻は、現在8つの同規模の芸術団を抱え、それぞれが世界ツアーを行っている。昨シーズンには24か国の200近い都市をめぐり、数々の世界トップレベルの劇場で満員の大盛況を記録した。しかし、神仏を否定する共産党政権下の中国では上演できない。
「政治的なことは本当に残念ですよね」と川原田さんは語った。現代劇の演目では、中国の精神的伝統を受け継ぐ気功修煉法・法輪功の学習者らが、政権からの迫害を受けながらも信念を貫く。「迫害の場面は悲しい気持ちになりました。ニューヨークを拠点にされているということですが、中国本土の国民にも幸せが訪れればと思います。やはり底力を感じますね。いろんな時代の流れに負けない、そして頑張っていけるという信念を感じました」
大紀元は神韻芸術団の後援として、2006年の芸術団創設以来、観客の声を伝えています。
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