中国共産党(中共)の国務院総理(首相)である李強氏が3月5日、全国人民代表大会(全人代)で報告したところによると、中共は全国の資源を活用し、人工知能や半導体製造などの分野での突破を試みている。これは米国が半導体などの分野で、中共に対して行っている制裁に対抗するものである。
また同報告には、2024年までに科学研究への支出を10%増やし、3708億元(約515億ドル)にすることで、中国企業の発展を促進する計画が示されている。
李強氏は、この報告のなかで「重要な科学技術基盤の体系的な配置を加速する」「企業の科学技術革新の主体性を強化する」「企業が革新的投資を増やすよう奨励する」と宣言している。
李強氏の今回の報告では「科技(科学技術)」の言葉が26回使用されていた。これは2015年以降における同会議での最多となる。これらは、中共が米国に対して「科学技術の優勢」を争う試みであることを示している。
しかし現在、中国の半導体産業はますます大きな壁に直面している。中国の半導体関連業界では、中共が巨額の資金を投じて米国の輸出制限を乗り越えようとしているものの、先進的な半導体製造装置や関連サービスを入手できないため、中国国内の半導体産業の発展が困難であると考えられているからだ。
分析によると、中国の半導体産業の遅れの原因は多岐にわたっている。その主なものとして「欧米との先進技術の交流不足」「企業家精神や職人精神の不足」「早急に成果を求める姿勢や模倣品の製造などに重点を置いていること」「確実に基礎研究に取り組むのではなく、金を集めるため小細工しようとすること」などが挙げられる。
これらに加えて、すでに失敗した中共の全体主義体制の下では、半導体産業の発展は「夢のまた夢」であるとされている。
さらに、Apple Inc.(アップル)や他の米国のブランドが、米中間の対立のリスクを軽減するために、インドや東南アジアなど、中国以外の国に新たな生産能力を構築していることもある。このような製造業の加速度的な国外流出は、それに対処する必要がある中共にとって逆風であることは間違いない。
昨年、ますます多くの中共機関や国有企業が、職場でiPhoneやその他の外国製品の使用を避けるよう従業員に求めた。これが海外企業の、中国市場に対する魅力をさらに弱めたことも指摘されている。
また、最近の一週間で、米バイデン政権は中共に対して「三つの主要な措置」を取った。
一つ目は、米国民の個人データを中国を含む「外国の敵」から守るための行政命令の発表。
二つ目は、中国の技術を使用する「ネットワーク接続可能な車両」がもつ潜在的なセキュリティ脅威に関して、米国が調査を開始すること。
そして三つ目は、ロシアのウクライナ侵攻を支持する中共の実体に対して、米国が制裁を実施することである。
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