核融合実用化…高市早苗安保担当相「日本の強み活かし富呼び込む」

2024/05/15
更新: 2024/05/15

フュージョンエネルギー核融合)の実用化に向け、日本の戦略が問われている。14日の参議院内閣委員会で、高市早苗経済安全保障担当相は、「日本が強みを持つ関連技術を生かし、しっかりと富を呼び込んでいきたい」と意欲を示した。

14日、参院内閣委員会で竹詰仁議員(国民民主)の質問に答えた。同議員は、欧米ではフュージョンエネルギーへの投資が活発化しており、特に米国ではスタートアップ企業が台頭し、莫大な投資が行われていると指摘。「欧米との協調から競争の段階へと移行していく中で、日本がリードするための戦略は何か」と問うた。

高市大臣は、フュージョンエネルギーをめぐる国際開発競争の激化を認めつつ、「政府は2050年頃の発電実現に向けて、できるだけ早期の目標明確化を図る」と説明。「文部科学省のロードマップに加え、海外の野心的な目標も踏まえ、省庁間連携によって一刻も早い社会実装を目指す」方針を示した。

具体策として高市大臣は、世界最大級の実験炉で日欧が共同開発を進める「JT-60SA」に言及。「培った技術と人材を最大限活用し、原型炉に必要な基盤整備を加速させる」と表明。今年3月に設立された「Jフュージョン産業協議会」とも連携し、「安全確保の基本的考え方を年内に策定する」意向も示した。

また、日本の原子力や半導体などの関連産業の高い技術力を強調。「発電そのものを待つことなく、日本が強みを持つ技術を生かし、しっかりと富を呼び込んでいきたい」と語った。

核融合の開発にあたっては、新材料技術や医療、核廃棄物処理、宇宙など様々な分野の応用が期待されている。

東京電力に勤務経験のある竹詰議員は、「必ずしも発電だけが利用法ではない。発電以前から活用できる技術もある」と強調し、日本にとって大きなチャンスだと評価。立憲・国民・有志の会による超党派でフュージョンエネルギーの議員連盟を昨年立ち上げたと述べつつ「今後も積極的な施策を求めていく」と語った。

質疑を受け、竹詰議員は自身のX(旧ツイッター)で「高市大臣は、ご自身の言葉で思いも伝えてくださいます。エネルギーは党派を超えて真摯に丁寧に真剣に議論させていただきます」と投稿。一方で、「私はフュージョンエネルギーは勉強不足もあり、ずっとずっと先のことかと思っていました。反省も込めてより勉強します」とつづった。

高市大臣も質疑を受けて「超党派で力を合わせて、スピードアップを目指して取り組んでいきたいテーマ」と協調を呼びかけた。

大紀元日本 STAFF