億万長者ウォーレン・バフェット氏の企業は、米連邦準備制度理事会(FRB)が保有する米国債を上回る規模を保持していることが明らかになった。
8月7日にアメリカの経済専門メディアCNBCが報じたところによると、バフェット氏のバークシャー・ハサウェイ社は、保有する現金の量が過去最高レベルに達し、その中にはFRBの保有する米国債の量をも超える米国債が含まれている。
同社の四半期報告によれば、第2四半期の終わり時点で、短期米国債への投資額は2346億ドル(約34兆5365億円)に達し、さらに420億ドル(約6兆1829億円)以上の現金および現金同等の資産を保有しており、その中には3か月以内に満期を迎える米国債も含まれている。
一方、7月31日の時点でFRBが保有していた米国債の額は1953億ドル(約28兆7590億円)であった。これにより、バークシャー・ハサウェイ社が保有する短期米国債の量はFRBを凌ぐことになる。
現在FRBは、合計で約4.4兆ドル(約647兆7548億円)の債券を保有しており、その中には国債、企業債、インフレに連動する債券などが含まれている。
FRBは、新型コロナウイルスのパンデミックが続く中で、大量の米国債を購入し、常に最大の保有者の一つであることを維持してきた。
93歳のバフェット氏は、再びその鋭い洞察力を発揮し、今週の世界株式市場の大幅な下落に先駆けて、既に多数の株式を売却していたことがわかった。
バークシャー・ハサウェイ社は7四半期連続で株式を売却しており、最近ではそのペースが加速している。バフェット氏は第2四半期に750億ドル以上の株式を売りに出した。
多くのアナリストは、バフェット氏がアップルなどの主要な株式を売却することを、経済や市場に対する悲観的な見方のサインと捉えている。
バフェット氏は以前から、経済危機が発生した際にはオークション市場で直接米国債を購入すると述べていた。これらの国債は、4週間から52週間という幅広い期間で政府によって発行されている。
過去2年間で米国債の利回りが上昇したことにより、バフェット氏の巨額の資金は高いリターンを得てる。例えば、約5%の利率で3か月物の米国債に投資すると、2千億ドルの現金から年間で約100億ドル、四半期ごとには25億ドルの収益が得られる計算である。
新型コロナウイルスの流行による市場への影響を受けて、FRBは約5兆ドルにも上る米国債とモーゲージ担保証券の購入によって経済を支援した。しかし、2022年の6月以降、FRBは保有する資産の削減を開始し、満期を迎える国債を計画通りに売却している。この取り組みは、通常「量的緩和の縮小」として知られている。
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