2023年、中国のコロナ禍が終了し、国境を再開放したので、中国では国際旅行市場の回復が見込まれていた。しかし、イギリス航空やオーストラリア航空などの国際航空会社は、中国へのフライトのキャンセルや再開の延期を余儀なくされている。
さらに、中国の主要な4つの航空会社も、今年上半期に続き、赤字を出している。この状況の背後には、一体どのような要因があるのだろうか?
イギリス航空は8月8日に、10月から1年間、ロンドンから北京へのフライトを中止すると発表した。
先月、同社はロンドンから香港へのフライトを、1日に2回から1回に減らしていた。
オーストラリア航空(カンタス航空)も、7月にシドニーから上海へのフライトを、一時的に中止し、搭乗率が半分に減少したことを公表した。これは、中国の旅行需要が、落ち込んでいることを示唆している。
メキシコの航空会社はパンデミック後、中国へのフライトを再開していない。現在、メキシコと中国間の直行便は、中国の航空会社のみが運行している。
インドと中国間の直行便の運航も、まだ再開されていない。
旅行需要の減少だけでなく、ロシアとウクライナ間の戦争が、中国への飛行時間とコストを増やし、それが国際航空会社が中国市場を離れる理由の一つになっている。
ロシアとウクライナ紛争が始まってから、中国の航空会社はより短い北のルートを選択し、ロシアの領空を通って欧米に向かっている。
一方で、ヨーロッパやアメリカ、その他の航空会社は、安全性や政治的な理由で、ロシアの領空を避けている。その結果、これらの会社は、中国の航空会社に比べて平均で、約2時間半長い飛行時間が必要になっている。
統計によれば、外国の航空会社は、パンデミック前に比べて60%のフライトしか運行しておらず、その数が減少していることは明らかだ。
中国の航空会社は、コスト面で有利な立場にありながらも、今年の上半期には主要4社が、それぞれ6億元(約123億円)から30億元(約617億円)の損失を記録している。これは国際線の需要が、パンデミック前の水準に戻っていないことと、供給過多が問題となっているためだ。
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