「遺体転売ビジネス」を告発した中国の勇気ある弁護士が、中共(中国共産党)政府の弾圧に遭い、所属法律事務所の「主任」のポストから下ろされたことがわかった。
最近、中国の勇気ある弁護士・易勝華(えきしょうか)氏による「中国における遺体転売ビジネス」に関する告発が、世間に大いなる震撼を与え、中国の多くのメディアまでもが追跡報道を行うこととなり、話題は中国SNSのトレンド入りした。
しかし、最初の告発の翌日から事件関連ワードは中国のネット上で封殺に遭い、中国大手メディア各社による関連報道も全て削除された。
易弁護士による最初のSNS投稿から1時間後、同弁護士は再度投稿をし、「北京市司法局から電話がかかってきた」と明かしている。この時、同弁護士は「この許せない現実を変えるためなら、私はそれ相応の代償を払うことも厭わない」と決心を新たにしていた。
その後も、同弁護士はたびたびSNSを更新し、「自分の投稿が非公開(自分だけが見れる)になった」こと、そして「SNSのトレンド入りしていたがトレンドを削除された」こと、そして「北京市司法局からの電話が相次いでおり、自分も所属弁護士事務所の上司も司法局による事情聴取を受けることになった」などと、弾圧されている現状について明かしている。
告発から約1週間後、易弁護士の所属弁護士事務所(「北京勇者律師事務所」)での主任の役職を下ろされたことを示す同事務所の13日付通告がSNSに流出し、物議を醸した。
勇気ある弁護士への弾圧という結果に、ネット上では「またしても問題解決するのではなく、問題を提起した人物を解決した」などと非難が殺到している。
易勝華弁護士は7日、「山西省のある会社は、20~60歳の『病死ではない遺体』を、多くの火葬場や病院から買い漁り、そうして違法に入手した遺体は、暴力的に解体され、骨を加工した後に、移植用に病院に販売されていた。事件は公安が調査しており、被告人は70人以上」
「私は長年刑事事件担当の弁護士としてやってきて、あらゆる事件を扱ってきたが、これほどの衝撃的な怒りを覚えたのはこれが初めてだ。火葬場から持ち帰った骨灰が家族のものではないかもしれない。死後に遺体を乱暴に解体されるなんて、あんまりではないか! この事実を聞いた時には、全身震えたよ!」とSNSに投稿した。
この衝撃的な投稿はSNSで拡散され、多くの中国メディアまでもが追跡報道をすることになった。それによると、「山西奥瑞生物材料有限公司(山西省太原市)」は2015年以降、複数の火葬場や病院に勤務する医師らから遺体を違法に入手して解体を行い、骨を取り出して移植用として販売した。同社は遺体を4千体以上を集め、3億8千万元(約78億円)の利益を得ている。警察は同社から人骨を計18トン押収し、事件に関与した75人を摘発、全員が容疑を認めている」
という。
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