著名な神経外科医で、2016年米大統領選の共和党候補指名を争ったベン・カーソン博士は、最近放映されたエポックタイムズの対談番組「米国思想リーダー」で、アメリカ建国の精神に立ち返ることの重要性を強調し、特に家庭の価値を重視することが次世代の繁栄の鍵であると力説した。
カーソン博士は、「家庭は自己のアイデンティティを確立するところだ。黒人コミュニティにおける家庭の崩壊が進むことに比例し、暴力行為などの非行が増加する。スラム街での高い殺人率や、他の生命を軽んじる傾向は、父親の不在が強く関係している。これらの問題は現在、社会の他の領域にも広がっている」と懸念を示した。
「米国思想リーダー」のヤン・エキレック氏が「(家庭の崩壊が)黒人のコミュニティにおいて顕著なのでしょうか」と尋ねると、カーソン博士は「婚外子を多く産めば産むほど、補助金がもらえる」などの家庭を切り離すような政策が黒人をターゲットに実施されていたためだと答えた。
高い離婚率、伝統的な家族形態の衰退、急進的な政治及び社会思想の拡大、信仰への挑戦、そして政府の過度な介入が伝統的な家族形態に打撃を与える主な原因であるとされる。健全な家庭生活は国家にとって不可欠であり、家庭の崩壊はアメリカ人にとって重要な国家理念の喪失につながる可能性がある。
カーソン博士は、伝統を尊重する家庭で育った人々が統計的に社会で成功しやすいとの考えを示している。
「保守派であれリベラル派であれ、シンクタンクが出した結論は一致している。伝統を尊重する家庭で育った子供たちは、学業で優秀な成績を収め、社会でも成功しやすく、アルコール依存や未成年の妊娠、精神疾患のリスクが低く、全体的に優れた成果を上げている」
「キリスト教系の学校、私立学校、ホームスクーリングのコミュニティは急速に拡大している。2020年以降、自宅で学習する人の数は2倍になり、今も増加傾向にある。私立学校、とりわけ信仰に根ざした学校は人気が沸騰している。現在の学校での活動や教育内容が、アメリカの伝統的な価値観の育成に反すると感じる人が多いためである」
カーソン博士は、アメリカの自由と繁栄の基盤は信仰にあると述べ、信仰の放棄が社会の衰退をもたらしたと指摘している。「我が国の独立宣言には、我々の権利は政府からではなく創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられていると書かれている。我々は、寄せ集めの民兵集団から記録的な速さで世界の頂点にまで上り詰めた信念体系に立ち返る必要がある」と強調した。
また「法の支配は不可欠である。多文化主義が社会の法の支配に適合しない場合、それは排除すべきである。我々の制度、文化、法律と相容れないものに対しては、我々が文化、法律を変えて適応するべきではないのだ」と強調した。
「現代社会における重要な問題の一つは、異常を正常だと是非を逆転して捉えようとする人たちの存在である。彼らは他人にもその考えを受け入れさせたいと思っているが、全てを根底から覆すべきではないのだ」
「しかし、理性をどこで身につけるのか? ずばり、家庭の中である。家庭で他人を尊重すること、異なる意見を受け入れること、財産を大切にすることを学ぶ。これらは全て家庭で教えられるべきことなのである」
「私は、我々が現在直面しているのが一過性のものであることを願っている。将来振り返った時に、人々が一時的に理性を失い、国を素晴らしいものにしてきた根本的な要素、特に家庭の価値を見失っていたことに気づくであろう」「技術の発展が家庭の絆にどのような影響を与えているかを理解することが重要である。子供たちがiPhoneやコンピューターに費やす時間が家族と過ごす時間を超えている現状に、親は注意を払うべきである」
では、現在の状況を転換させる方法とは何なのだろうか。カーソン博士は、健全な家庭が全ての基盤であると指摘している。その上で、「家庭を最も大切にすることによってのみ、アメリカは自由の国として、また勇敢な人々の故郷としての自負を保ち続けることができるのである」と強調した。
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