中国経済 機会を捉えて火事場泥棒のように行動する企業?

中国共産党の金融刺激策発表後 A株市場で大株主が相次いで売却

2024/10/01
更新: 2024/10/01

9月24日、中国経済の低迷を背景に、中国共産党は新たな金融刺激策と不動産市場支援措置を発表し、A株市場は短期的に上昇に転じた。しかし、このポジティブな動きにも関わらず、多数の大株主や企業幹部が株を売却する事態が相次いだ。

金融科技情報サービス「鈦媒體」によると、政策発表後に新たな資金が市場に流入し、A株市場は強い反発を示した。

株価が上昇すると、多くの上場企業が株の売却を発表した。9月25日以降、50社以上の上場企業が、支配株主(企業の経営に対して重要な影響を持つ株主)や実際の支配者、または5%以上の大株主や企業の幹部による売却計画を公表している。その中には、株価が急騰する中で売却を完了した大株主もいる。

50社が減持(保有株式の割合を減らしたこと)を発表した企業の公告日は、ほとんどが28日以降である。

「経済観察網」の報道によると、繰り返しになるが、9月24日以降の5日間で40社以上の上場企業が売却計画を発表した。これらは主に大株主や実際の支配者、及び支配株主によるもので、売却の理由は主に自己資金の需要である。

中国問題の専門家である王赫氏は、「新たな資金が市場に流入する一方で、従来の投資家がこの機会を利用して逃げ出す可能性がある。このような状況では、中国の株式市場は、どれだけの資金を投入しても復活できない“死の渦”に陥る恐れがある」と指摘している。

今回の株の売却ラッシュは、市場が上昇している中で、「機会を捉えて火事場泥棒のように行動する企業が見受けられる」とのことである。

株の売却は一般的な現象であり、株価が高騰する際に利益を確定することは当然のこととされているが、今回のA株の上昇はわずか4日間であり、早々に利益を得ようとする企業の動きには、これらの企業がこの機会を長い間待ち望んでいたのではないか、そして今、現金化して手を引くのではないかという疑念を抱かせるという。

夏松