中間層を引き付ける? ハリス氏とトランプ氏の変化

2024/10/23
更新: 2024/10/31

人生において、多くの問題に対する見方が時間とともに変わることは珍しくない。二人のアメリカ大統領候補もその例外ではない。以下では、彼らのキャリアにおける政策立場の変化を振り返る。

石油や天然ガスを取り出す「水圧破砕法(フラッキング)」に関して、民主党の大統領候補であるカマラ・ハリス副大統領は「疑いの余地なく、フラッキングの禁止に賛成だ」と述べていた。

しかし、今回の選挙では、立場を変え、フラッキングは禁止しないと約束している。

調査によると、フラッキングを禁止すると、重要な激戦州であるペンシルベニア州で30万人の雇用が失われる可能性がある。

共和党の大統領候補であるドナルド・トランプ前大統領は「彼女がフラッキングに同意したのは最近のことで、ペンシルベニア州の支持率が下降していることに気づいたからだ」と指摘している。

民主党が批判を受けている移民問題について、ハリス氏はかつて不法入国の非犯罪化、移民収容施設の閉鎖、国境警備機関への予算削減を支持していた。

しかし現在、ハリス氏は不法入国の合法化に反対し、より厳格な庇護申請政策の実施を主張している。

ハリス氏は「不法入国した人々は逮捕され、国外追放され、5年間再入国を禁止される」と述べている。

銃規制に関して、ハリス氏は「攻撃用武器」の全面禁止を主張し、強制的な買い戻しプログラムを支持し、特定の銃を所有者から連邦政府に、売却するよう求めていた。

しかし最近、彼女は誰の銃も没収しないと発言している。

ハリス氏は「私は銃を持っている。(副大統領候補の)ウォルツも銃を持ってる」と言い、司会者のオプラ氏は驚いて「知らなかった」と答えた。

ハリス氏は「誰かが、私の家に侵入してきたら、撃たれることになるだろう」と答えた。

さらに、ハリス氏は2017年に、民間保険を連邦政府が管理する「メディケア・フォー・オール」プランに置き換える法案を提出した。しかし、今年の選挙討論会では、過去4年間の副大統領在任中、民間医療保険の選択を完全に支持していたと述べた。

一方、トランプ氏については、1999年にNBCの「ミート・ザ・プレス」で「私は中絶に非常に賛成だ」と述べていた。

しかし、2016年の大統領選挙では、トランプ氏は中絶反対派に転向した。在任中に彼は3人の保守派判事を指名し、2022年の最高裁による「ロー対ウェイド判決」の覆しへの道を開いた。

トランプ氏は「私はアメリカ史上、最も生命を尊重する大統領であることを非常に誇りに思っている」と述べている。

大麻に関しては、トランプ氏は在任中に司法省に娯楽用大麻に対する連邦法の執行強化を求めていたが、現在はフロリダ州の第3修正案を支持しており、これにより21歳以上の大麻使用が合法化されている。

トランプ氏は「(娯楽用大麻を)管理するシステムがあれば、フロリダ州がそのような方法で行うのは非常に良いと思う」と指摘している。

福祉政策について、トランプ氏は、かつて社会福祉の削減を議論のテーブルに載せたいと述べ、退職年齢を70歳に引き上げるよう呼びかけていた。しかし、今回の選挙運動では、社会保障や医療保険を削減せず、退職年齢も変更しないと約束している。

質問した市民は「社会保障と医療保険を守ってくれるか?」と尋ねた。

トランプ氏は「良い質問だ。答えは『はい』だ」と答えた。

分析によれば、候補者が立場を変えることの利点は、中道寄りにシフトすることで、穏健な中間層の有権者を引き寄せることができる点にある。しかし、この変化は、元々の立場を支持していた一部の支持者を、遠ざけるリスクも伴う。