金融界腐敗を取締る中共 深まる内部闘争 

2024/11/02
更新: 2024/11/02

最近、中国共産党(中共)の金融分野で官僚たちが次々と失脚している。最新の情報によると、華興銀行の元書記長である張長弓が逮捕され、彼は金融界の著名な人物たちを告発した。

公開された資料によれば、張長弓は複数の銀行で勤務していた。2021年9月頃、彼は当局に連行され調査を受けたが、公式には未だに関連する発表は行われていない。

中国の財新網は、10月29日(火)に事情通の情報を引用し、張長弓が関与した事件の金額が、非常に大きいことを明らかにした。受け取った賄賂の金額は約3億元、横領した公金は6億元を超え、主に銀行資金を使って株式投資を行ったことが問題視されている。

アメリカ南カロライナ大学エイケンビジネススクールの謝田教授は、「中共がますます専制的で独裁的になるにつれて、官僚や腐敗した官僚、縁故関係のある人々は、より多くの腐敗の機会を得ている。彼らの貪欲が発動し、ますます大きくなっている」と述べている。

関係者によると、張長弓は死刑執行猶予の判決を受ける可能性が高いとされている。これは、彼が浙商銀行の元会長沈仁康氏、前中共首相李克強の従弟、浙江省政治協商会議の元副主席朱從玖氏、新華保険の元会長李全氏、銀保監会上海局の元局長韓沂氏など、4人から5人の金融界の著名な人物を告発したためだ。これらの人物はすでに次々と失脚している。

謝田氏は次のように述べている。

「現在、政府は財政的な困難に直面しており、経済の低迷が財政収入の減少を引き起こしている。そのため、政府は汚職官僚を取締まるなどの手段を通じて、財政資源の枯渇問題を解決する必要がある。別の視点から見ると、腐敗現象はますます深刻化する可能性がある」

大紀元のコラムニストである王赫氏は、「パンデミック以降、中国経済は重大な打撃を受け、さまざまな矛盾が表出し、内部闘争が激化している。同時に、当局は金融システム内で、重点的に防止すべき対象や突破口を探し、反対勢力を大規模に一掃し、金融リスクを低減しようとしている」と指摘している。

おおまかな統計によると、今年の9月末までに、金融分野で少なくとも75人が調査を受けている。その中には、9月に調査を受けた中国農業銀行湖南省支店の副行長、張松柏氏や、中信銀行資産管理業務センターの前副総裁、羅金輝氏が含まれている。

しかし、分析によれば、中共の金融界の取り締まりは、経済的要因よりも、政治的考慮から来ているとされている。

王赫氏は次のように強調している。

「中共が直面する金融リスクは非常に高く、その主な原因の一つは金融腐敗だ。したがって、中共は金融リスクの解消と金融反腐敗を同時に進めている。これは表面的な説明だが、実際には内部の金融システムが利益集団に独占され、主に太子党と紅二代が支配している。そのため、内部闘争の要因は、非常に顕著だ」