国際 外国の中国大使館への電話は「普通」、通じない。

中共の決めゼリフ「背後には強大な祖国がある」はウソだった 海外で困って中国大使館電話しても「通じない」は常識?

2024/11/09
更新: 2024/11/09

「犯我中華者、雖遠必誅」(我が中華を犯す者は、遠きにありても必ずや誅せん)

「無論身在何處,祖国永遠是你最堅実的後盾」(どこにいようとも、あなたの背後には、強大な祖国があるということを忘れないでほしい!)

 

中国共産党(中共)による中国人に対する愛国洗脳ドラマの中に必ず登場する名ゼリフがいくつもあるが、上記の2つは特に有名だ。

中国国内では「中国はイランなど全体主義政権と友好関係にある」ことが盛んに宣伝されており、愛国洗脳ドラマの名ゼリフでもある「あなたの背後には強大な祖国がある」といった洗脳も普段からされてきたため、一部の中国人はそれが本当だと本気で信じている。

しかし、実際はどうか。

「電話もつながらない」中国人の背後にある強大な祖国はどこ?

今月4日、中国人ブロガー2人がイラン旅行中に刃物を持った強盗に遭い、カバンを奪われた上、本人たちも刺されて負傷した。

普通は海外でトラブルに巻き込まれて困った時には現地の本国大使館に連絡をするものだ。被害を受けた2人も現地の中国大使館に連絡をしようと電話をかけたが、30分間かけ続けてもずっと繋がらなかったという。

2人は最終的中国大使館への連絡を諦め、知人の紹介で現地の華人を頼ることになったそうだ。

 

被害に遭ったイラン旅行中の中国人。(動画よりスクリーンショット)

 

関連トピックスでは「外国で現地の中国大使館に電話してもつながらないのは常識で、いつもの事だ。期待すればがっかりするだけ」といった声が殺到している。

電話がかからないというだけはなく、華人圏のSNSには「外国の中国大使館の無関心過ぎる態度や人間として見られない雑すぎる扱い」に関する怒りの訴えがあふれているのだ。

先月30日も、ある在韓の中国人女性がSNSに「現地の中国領事館の電話はいつもつながらない!」と涙ながらに訴える動画をSNSに投稿して話題になった。

女性の父親は韓国で亡くなり、火葬をするためには中国領事館が出す書類が必要だったのに、現地の中国領事館にたらいまわしにされ、電話かけてもつながらず、女性は「どうすればいいの?」「本当にがっかりした」と怒りのコメントを述べている。

 

「口先ばかりで、何もしない政府」

昨年のハロウィン期間中、上海の若者が「当局への皮肉」や「社会風刺」を盛り込んだ様々な仮装したことが話題になった。

そのなかの1つが中国で驚異的なヒット作となった愛国プロパガンダ映画「戦狼2」で監督と主演を務めたウー・ジン(呉京)氏だ。

仮装者は「雖遠必誅(遠きにありても必ず誅せん)」と書かれた看板を掲げ、実際には「口先ばかりで、何もしない政府プロパガンダ」を笑って批判しているのだ。

2023上海ハロウィンで様々な仮装する若者たち、左上が映画「戦狼2」主演ウー・ジン(呉京)氏の仮装
(中国のSNSより)
李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!