相次ぐ「闇バイト」に自民党が対策へ トップに高市早苗氏 警察庁が異例の警告も

2024/11/15
更新: 2024/11/15

自民党は、SNSを通じた闇バイト強盗事件の多発を受け、党内の組織再編を行い、闇バイト対策を本格的に検討する方針を固めた。党政調の治安・テロ対策調査会を「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」に改組し、トップに高市早苗前経済安全保障担当相を充てる方向で調整を進めている。

高市氏が選ばれた理由は、経済安全保障担当相時代にサイバーセキュリティ対策を担当した経験があり、この問題に適任であると判断されたため。

自民党はこれまでも、SNSを通じてつながり、実行役が入れ替わる「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の実態解明や取り締まり強化を公約に掲げてきた。今回の組織再編はその具体化の一環とみられる。

闇バイトは、トクリュウの活動手段の一つとして利用されている。高額報酬を謳い、SNSを通じて若者を犯罪に巻き込む危険な手口として認識されており、政府や警察も対策に乗り出している。

匿名性が高いため、犯罪組織の関与が見えにくい。被害者を装った強盗や詐欺行為、密輸などの犯罪行為を要求する。実行犯は一度の報酬で終わる「使い捨て」とされることが多い。

高市氏を中心とした新たな調査会の活動が、今後の闇バイト対策にどのような影響を与えるのか注目される。

警察庁が異例の警告文

自民の方針に先立ち、警察庁はSNS上で「闇バイト」への応募を促す投稿が増加し、これに応じた人々が犯罪に加担する事例が相次いでいることを受け、強い警告を発した。

警察庁は14日、X(旧ツイッター)上で「アルバイトではなく、紛れもなく犯罪行為です」「犯罪者グループは、約束の報酬を元から支払うつもりはなく、あなたは使い捨て要員です」と強い言葉で警告する文書を投稿した。

募集をかけている側に対しても、 「警察は必ず捕まえる。逃げることはできない」と強く警告した。

首都圏を中心に、いわゆる「闇バイト」による強盗事件が相次いでいる。8日、警察庁は闇バイトに応募した人に保護を呼びかける動画を公開した先月中旬から今月7日までの約3週間において、応募者やその家族を保護したケースが全国で46件に上ったと発表した。

闇バイトの危険性/ハイリスク

①個人情報の悪用
応募者は個人情報を送信するよう求められ、その情報を元に脅迫される。顔写真付きの身分証明書や家族の情報を要求されることが多く、これらの情報は後の脅迫に使用される。

②犯罪への加担
一度でも犯罪行為に加担してしまうと、脅迫されて抜け出せなくなる。犯行グループは実行者を「捨て駒」として利用し、逮捕されるまで犯罪を繰り返させる。

③重い刑罰
重い刑事罰を受ける可能性が高い。犯罪グループは実行者を見捨て、全ての責任を押し付けられる可能性もある。

 

闇バイトに関与してしまった場合や、情報を見つけた場合は以下の窓口に相談・通報することができます。

●警察相談ダイヤル:#9110

●最寄りの警察署

●都道府県警察本部の少年相談窓口:専門知識を持つ相談員や少年補導職員が、適切な助言や指導を行っている。

インターネット・ホットラインセンター