中国政治 決して習近平をアメリカの真の友人とは見なさない。

トランプ再就任と米中関係 中国政策首席顧問が語る中共の真実

2024/11/19
更新: 2024/11/19

米国の学者である余茂春氏は、トランプ氏が当選し、中共指導者と表面的には良好な関係を維持するが、真の友人とは見なさないだろうと予想する。その理由は相手が信用できないからである。

余茂春(マイルズ・ユー)氏は、トランプ氏の第一政権時、国務省の中国政策の首席顧問を務めた米国の華裔(かえい:中国にルーツを持ちながら、現在は外国に住んでいる、または外国籍を取得している人々)学者である。

彼は、過去のCOVIDパンデミックや米中貿易協定を例に、中共が言行不一致であることを指摘し、米中関係は決裂しないものの、米国も譲歩しないと推測する。

トランプ氏の勝利により、「アメリカ・ファースト」政策が米中の地政学的対立をエスカレートさせるか、両国が第二次貿易戦争を引き起こすか、トランプ氏が習近平をどのように見るかに注目が集まっている。

トランプ氏は来年1月に再び米国大統領に就任する予定で、選挙期間中には中国からの輸入品に60%の関税を課すと脅した。その勝利により、外国投資家は中国のETF(株式のように売買ができる投資信託の一種)から急速に資金を引き揚げた。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、元米国貿易当局者の話を引用し、トランプ氏の勝利後、北京が国際投資センチメント(国際的な投資家の心理や市場に対する感情、態度を指す)をさらに損なわないよう慎重に対応していると報じられた。

11月15日にペルーで開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議では、中共の指導者が商務部長の王文濤を派遣し、その書面スピーチを代読させた。

習近平は「相互依存の世界を分断することは歴史の後退だ」と述べた。この発言は、2017年のダボス会議での彼の類似の発言を思い起こさせる。当時はトランプ氏の第一期が始まったばかりだった。

その後の8年間でトランプ氏は一部の中国輸出品に懲罰的関税を課し、バイデン政権はそれらの関税を継続・維持してきた。

米中関係の緊張、中共が元凶

米国のシンクタンク・ハドソン研究所中国センター所長の余茂春氏は、セルフメディア「不明白ブログ(Don’t Understand Blog)」のインタビューで、多くの人が米中関係の変化について、誰が就任または退任するか、または米国政府が何をするかだけに注目しているが、それは誤りだと述べた。

彼は「米中関係の改善は完全に中共自身の行動次第であり、米中関係の緊張を引き起こす最も重要な要因は、米国ではなく、中共である」と強調した。

余茂春氏は、トランプ氏政権下で、国務院の中国政策企画の首席顧問を務めており、貿易戦争はトランプ氏大統領が始めたものではなく、アメリカが中共によって長年にわたって仕掛けられた貿易戦争に対処した結果だと述べている。

「中共は長い間、アメリカ製品の中国への輸入に高い関税を課してきた。トランプ氏はただ現実を認識し、対等に対応したに過ぎない」と彼は語る。

「北京が世界と良好な関係を築くためには、自らの政策を変えることが最も重要である。他人が自分を困らせていると考えるのではなく、変化に対応して変わらなければならない」と余茂春氏は述べる。

トランプ氏と習の関係

余茂春氏は、習近平の最大の特徴は強い虚栄心であり、彼は世界のリーダーになりたがり、全世界に方向性を示したがる。トランプ氏もこれを理解しているため、その策略に乗って二人の関係は良好であると彼は言う。

実際にトランプ氏も習近平が独裁者であり、アメリカに対して善意を持っていないことを知っている。

「大方針において、トランプ氏は習近平との関係を表面的には非常に良好に保つが、決して習近平をアメリカの真の友人とは見なさない。なぜなら習近平は信用できない人物だからである」と余茂春氏は語る。

中共の矛盾した態度について、余茂春氏は次のように簡潔にまとめている。

「彼らと友好的に接すると、あなたが笑顔の裏に刃を隠していると彼らは言い、陰で陰謀を巡らせていると主張する。一方、彼らと距離を置くと、中国を封じ込めようとしていると非難されるのである」

林燕