牛の「ランピースキン病」国内初確認  農水相「影響は一時的」

2024/11/19
更新: 2024/11/19

11月6日、福岡県の乳用牛飼養農場で、「ランピースキン病」の発生が確認された。国内初めての感染事例となる。福岡県内の8農場と熊本の1農場で確認されているという。江藤農林農水相は、「(生乳)生産への影響は一時的で、時間が経過すればほぼ回復する」との認識を示した。

福岡県は18日、まん延防止を目的として、家畜伝染病予防法第6条第1項2に基づき、ワクチン接種を実施するよう命じた。ランピ―スキン病発生農場から半径20キロ以内で飼育されている牛が接種対象になる。ワクチンを接種した牛の肉や乳を飲食しても健康に影響はないとされている。

熊本県は症状が出た牛の隔離や、生乳の出荷自粛を要請している。

農水省は、ランピースキン病は牛や水牛の病気であり、人には感染しないと説明している。現時点で肉用牛での感染事例は確認されておらず、輸出への大きな影響はないという。

ランピースキン病は発症すると全身にいぼ状の結節が現れ、乳用牛では乳量の低下などの影響が確認される。一般的に死亡率は低く、自然治癒することが多いため、ウイルスによる牛の伝染病で、蚊・ハエ・ダニなどの媒介による機械的伝播や、感染した牛の移動により感染が拡大する。