10月こめ価格過去最高 前年比1.57倍 

2024/11/19
更新: 2024/11/19

農水省は19日、10月のの相対取引価格は、全銘柄平均で2万3820円/玄米60kgと、先月に続き過去最高を更新したと発表した。前年同月比で+8639円(+57%)の上昇を記録した。また、取扱数量も前年同月比で+60%と大幅な増加を見せた。

需給状況

令和5年産米の需要が堅調であったことから、令和6年6月末時点の在庫量は近年で最も低い水準となった。ただし、在庫率(在庫量/需要量)を見ると、平成23年や24年と同水準であり、需給全体としてはひっ迫しておらず、十分な在庫が確保されている。新米の出回りも始まっており、市場への安定供給が継続している。

需要増加の要因

米の需要が堅調に推移している背景には、以下の要因が挙げられる

  1. 相対的価格の安定:食料品全体で価格上昇が続く中、米の価格上昇は比較的緩やかであり、消費者に選ばれやすい。
  2. インバウンド需要の拡大:訪日外国人観光客の増加が、米の需要拡大に寄与している。
  3. 気象要因の影響:昨年お高温や渇水によって、精米歩留まりが低下し、一部で供給が余裕のない状況にある。

スーパーでの米販売動向

全国約1千店舗のスーパーにおける米の販売量も堅調に推移している。特に今年8月には、南海トラフ地震臨時情報(8月8日発表)やその後の地震、台風などの影響で、買い込み需要が発生し、8月5日以降の週では販売量の急伸が3週続いた。一方、9月以降は落ち着きを見せ、11月4日の週には前年同期比4%減となっている。

10月の取引価格と取扱数量のデータは、米の需要が依然として堅調であることを示している。一方で、天候要因やインバウンド需要の動向が、今後の市場に影響を及ぼす可能性がある。農林水産省は、引き続き出荷および在庫状況を注視するとともに、需給バランスの維持に努める方針を示している。