アメリカの弾薬備蓄を逼迫
アメリカのインド太平洋軍司令官、海軍大将サミュエル・パパロ氏は、ロシアとウクライナの戦争や中東の紛争がアメリカの弾薬在庫を消耗させ、防空ミサイルのさらなる備蓄が必要であると警告している。彼の発言は、将来の軍事衝突への備えとして、アメリカの防衛戦略における「弾薬庫の深さ」をどう拡充すべきかを浮き彫りにした。
11月19日、ワシントンのブルッキングス研究所で行われた公開イベントで、パパロ氏は自身の懸念を表明。それは;
討論中、パパロ氏にウクライナや中東地域での継続的な戦闘がインド太平洋地域のアメリカ軍の軍備に影響を与えているかどうか尋ねられると、「現時点では、使用されている武器の大部分は砲兵と短距離武器であり、影響はないと思う」と答えた。しかし
「現在、いくつかのパトリオットミサイルや空対空ミサイルが使用されているため、これらの武器は私たちの在庫を徐々に減少させている」とパパロ氏は付け加え、「こういう風に言わなければ、事実を反映せず、不誠実だ」と述べた。
バイデン政権は、ウクライナとイスラエルに先進的な防空システムを提供し続けているし、また、イエメンのフーシ派によるミサイルやドローン攻撃に直面して、アメリカ海軍は紅海の航行の安全も、積極的に守らなければならない。
ロシア・ウクライナ戦争は1千日を迎え、アメリカは、この間にウクライナに604億ドル以上の軍事支援を行ってきた。支援内容には、3セットの「パトリオット」(Patriot)防空システムとそのミサイル、40セット以上の「ハイマース」(HIMARS)システムとその弾薬、さらに「先端の防空ミサイルシステム」(NASAMS)や「陸軍戦術ミサイルシステム」(ATACMS)が含まれていた。
19日、ウクライナはATACMSシステムを初めて使用し、ロシア国内に攻撃を行った。
アメリカは、定期的にイスラエルに防空弾薬を輸送し、先月、アメリカはイスラエルに「THAAD」(サード)システムを配備し、約100人のアメリカ軍を派遣して運用するという。「THAAD」システムはアメリカ軍の層別防空システムの重要な要素である。
紅海の航行を保護する中で、アメリカ軍はSM-2、SM-3、SM-6艦載対空迎撃ミサイルやAIM-9X、AIM-120空対空ミサイルなど、さまざまな地対空および空対空の弾薬を使用する。
パパロ氏は「私たちはこれらの武器在庫を補充し、その後さらに増やすべきだ」と述べ、以前から武器庫の数量に不満を抱いていたが、今その不満はさらに強まっていると語った。
彼が言及した「弾薬庫の深さ」とは、弾薬の備蓄量を指していたのだ。
中国共産党との衝突に備えるアメリカ
パパロ氏の発言は、トランプ次期大統領や新政府のメンバーの関心を引く可能性がある。彼らはウクライナへの支援に慎重であり、バイデン政権が、中国共産党との潜在的な衝突に備えることを、重視していないと考えている。
バイデン政権は、トランプ政権が発足する前に「大統領離脱権限」(PDA)名義で残っている71億ドルを使用することを約束する。この権限により、アメリカの弾薬や武器庫から直接軍事支援物資を引き出すことが可能である。アメリカの官僚によれば、バイデン政権は今週、別の支援プランを発表する予定であるという。
近年、中国共産党は、台湾に対する軍事的圧力を強化し、10月には125機の戦闘機を含む大規模な軍事演習を実施した。中国共産党は、台湾を武力で併合する可能性を放棄していないと繰り返し主張しているのだ。
ほとんどの国と同様に、アメリカと台湾は、正式な外交関係を持っていないが、アメリカは、現在でも台湾にとって最も重要な国際的なパートナーであり、アメリカの法律に従って、台湾に自衛の手段を提供する責任があるという。
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