財務省が2025年2月19日に発表した1月の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2兆7588億円の赤字となった。これは2か月ぶりの赤字であり、主に円安の影響によるものとしている。ロイター通信など複数のメディアが報じた。
輸出は前年同月比7.2%増加し、特にアメリカ向け自動車が好調だった。一方、輸入は同16.7%増加し、中国からのスマートフォンなどが押し上げ要因となったという。
1月の税関長公示の為替レート平均値は1ドル=157.20円で、前年同月比9.2%の円安となっており、これが貿易赤字拡大の主な要因と考えられる。
財務省は輸出について、金額ベースでは4か月連続で増加しているものの、数量ベースでは前年比1.7%減と3か月連続で減少していることから、「輸出が増勢に転じたと見るのは時期尚早」としている。
アメリカ向け輸出は8.1%増加し、6か月ぶりの増加となった。特に自動車は21.8%増加したが、財務省によると台数ベースでは必ずしも増加傾向とは言えないという。
一方で、中国向け輸出は前年比6.2%減少し、2か月連続の減少となった。旧正月前の時期には日本から中国への輸出が一時的に減少する傾向があり、カレンダー要因による動きとみられている。
財務省幹部は、アメリカの通商政策が日本の貿易に与える影響については予断を許さず、引き続き「情報収集して注視している」と述べた。
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