大紀元が入手した書簡によると、共和党議員らは、ギャバード米情報長官に対し、中国共産党（中共）幹部の腐敗と財産に関する報告書を公開するよう求めている。この報告書は14か月前に提出期限を迎えていたが、いまだに公表されていない。

議員らは、2024年5月に成立した「中国共産党の悪意ある影響対策法」によって要請の正当性が強まったにもかかわらず、バイデン政権が下院の要求を無視し続けていると非難した。

下院議員のアンディ・オーグルス、クリス・スミス、バリー・ムーア、アンディ・ビッグス4氏は、2月26日付のギャバード長官宛ての書簡で「議会は情報機関に対し、本指令の実行に1年の猶予を与えた」と記した。

「しかし、この報告書は提出期限からすでに14か月遅れているが、議会はいまだに立法に大きな影響を与える重要な報告書を待ち続けている」という状態だ。

中共幹部の莫大な資産に言及

議員らは、「議会への報告は、通常の手続きの一環だが、今回の報告書は、さらに重大な意味を持つ」と強調。

「この報告書は、おそらく習近平とその側近たちが、法律上の名目給与のみで生活しているわけではないことを明らかにするだろう。むしろ、彼らは本物の億万長者である可能性が高い」

書簡では、過去に報じられた中共幹部の資産に関する情報にも言及。その一例として、2012年にブルームバーグが報じた習近平の家族の財産について触れている。同報道によると、習近平の家族は

• 3億7600万ドルの資産（約564億円）
• 推定価値17億3000万ドルに相当するレアアース関連企業の18％の株式（約2595億円）
• 2020万ドルに相当する上場テクノロジー企業の株式（約30億円）

を所有していたとされる。

さらに、議員らは元中共首相・温家宝の家族の莫大な資産についても指摘している。報道によれば、温家宝の母（書簡では楊と記されている）は1億2000万ドル（約180億円）相当の金融機関の株式を保有していた。しかし、彼女は毛沢東時代の経済的に厳しい時期に教師として働いていたにもかかわらず、これほどの莫大な資産を所有していたことになる。

中国国内の貧困との対比

議員らは、共産党幹部の富裕ぶりと中国国内の貧困問題の対照的な状況についても言及した。

「共産党指導層がぜいたくな生活を送る一方で、中国では6億人（国民の約半数）が1日5ドル（約750円）以下で生活している」

「中共の独裁の下で、14億人以上の国民が苦しんでいる現実を考えれば、習近平とその側近が『汚職撲滅』に関心を持っていたという建前は、完全に崩壊するだろう」

議員らはギャバード氏に対し、3月12日までにこの報告書の進捗状況を報告するよう求めている。

台湾侵攻に備えた新法案

この書簡が発表された翌日、共和党のリサ・マクレイン下院議員と民主党のブラッド・シャーマン下院議員が超党派で「台湾紛争抑止法（Taiwan Conflict Deterrence Act）」を提出した。

この法案が可決されれば、中共が台湾へ侵攻した際に、習近平をはじめとする党指導層の財産を公開することが義務付けられると言う。

大紀元は、ギャバード長官の事務所にコメントを求めたが、記事掲載時点では返答を得られなかった。