貸金庫に預けていた顧客の現金が盗まれる被害が相次ぎ発生する中、横浜市にあるハナ信用組合の支店においても、元次長が貸金庫から顧客の現金を6億円余り盗んだとして逮捕された。被害総額は約10億円に上るとみられ、警察が詳しいいきさつを調べている。
逮捕されたのは、横浜市中区にあるハナ信用組合の横浜支店で次長だった朝鮮籍の李勝ひょん(リ・スンヒョン)容疑者(49)だ。
警察によると、一昨年3月ごろまでの1年半にわたり支店の貸金庫に預けていた顧客の現金合わせて約6億1900万円を盗んだ疑いが持たれている。
これまでの調査によると、2017年に支店が今の場所に移転する際などに貸金庫の鍵を複製し、複製した鍵で深夜や早朝、休日に少なくとも百回は現金を盗み出したとしている。
元次長は容疑を認めており、逮捕前の任意の調べに対し、盗んだ現金はギャンブルに使用したという趣旨の説明をしていた。
ハナ信用組合は、去年2月、事案の内容を公表するとともに元次長を懲戒解雇した。
金融機関の貸金庫窃盗 近年相次ぎ発覚
近年、行員が関与したとみられる貸金庫窃盗被害が相次ぎ明らかになっている。
昨年11月には三菱UFJ銀行で、支店の元行員が10数億円相当の金品を盗んだことが発覚し、被害人数は約60人に上るということだ。
また今年の2月にはみずほ銀行で、東京の広尾支店に勤務していた行員が、2016年1月~19年6月までの3年半の間、顧客2人の貸金庫から合計6600万円を盗んでいたことが発覚した。
近年相次ぎ発覚している銀行の貸金庫窃盗事件により、金融機関内部の管理体制や、顧客資産の安全性に対する懸念が高まっている。
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