ニュージーランドの外交部長ウィンストン・ピータース氏は、3月6日、同国が駐英国大使フィル・ゴフ氏の職務を解除したと発表した。その理由は、ゴフ氏がアメリカのドナルド・トランプ大統領を批判する発言をしたと見なされたためだ。
ロイター通信によると、ゴフ氏は3月5日にロンドンで行われたフォーラムで、トランプ氏の歴史に対する理解を疑問視する発言をした。ゴフ氏は、トランプ氏がロシアとの関係を改善しようとする行動を、イギリスの戦時指導者ウィンストン・チャーチルがナチス・ドイツの勢力拡大に抗戦した行動と比較した。
フィンランドの外交部長エリーナ・ヴァルトネン氏との対話の中で、ゴフ氏は「トランプ大統領はチャーチルの胸像をオーバルオフィスに戻したが、彼が本当に歴史を理解していると思うか?」と述べた。
ピータース氏は声明で、ゴフ氏の発言が「非常に失望させるものである」と述べ、さらに「これらの発言はニュージーランド政府の立場を代表するものではなく、彼がロンドンの高等弁務官としての職務を続けることを不可能にした」と強調した。
現在、ニュージーランドの外交省の最高官僚であるベード・コリー氏は、ゴフ氏と協力して新任大使の引き継ぎ作業を進めている。
ゴフ氏はニュージーランドの中道左派政党である労働党の外務大臣および議員を務め、2023年に駐英大使に任命された。現在、ニュージーランドは右派の連立政府が政権を握っており、ピータース氏が率いる「ニュージーランド第一党」が連立政権の一部を構成している。
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