米国とウクライナは、戦闘停止に向けた停戦枠組みを協議する会合を、サウジアラビアで開催する方向で調整を進めている。
ウィトコフ中東担当特使は3月6日、ホワイトハウスで記者団に対し、トランプ大統領がゼレンスキー大統領から、ロシアとの停戦の初期条件を提示する意向を表明する書簡を受け取ったと語った。
トランプ氏とゼレンスキー氏の対立、停戦交渉の背景
今回の動きは、2月28日のトランプ氏とゼレンスキー氏の口論を受けたものだ。トランプ氏は、ウクライナが米国の支援に対して十分な感謝を示していないと非難し、ウクライナは平和達成実現のためにロシアに対してさらなる譲歩をする用意があるべきだと示唆した。
トランプ氏は3月3日、ロシア軍の動きを追跡する上でウクライナを支援してきた、全ての支援を停止すると決定した。これには、ウクライナがロシア軍の動きを追跡するための米国の情報提供も含まれる。
しかし、ウィトコフ氏によると、ゼレンスキー氏の書簡がトランプ氏の要求を満たしたことで、会合後に情報提供が再開される可能性があるという。
サウジアラビアでの会合と今後の見通し
ウィトコフ氏によると、会合は来週開催される予定で、マイク・ウォルツ国家安全保障担当補佐官が、誰が主要な外交チームを形成するかについて協議を主導している。
ウクライナとロシアの和平プロセスを担当する公式の外交代表が、ウクライナ、ロシア両国政府に発表される予定だと述べた
ウクライナとロシアの停戦条件
トランプ氏とゼレンスキー氏は、戦争終結に向けた方針をめぐり、長らく対立してきた。
トランプ氏は、米国の安全保障の保証なしにウクライナが停戦に応じるよう求め、さらに、米国の支援を継続する条件として、ウクライナの希少鉱物資源の採掘権を米国に提供するよう提案している。
一方、ゼレンスキー氏は、ロシア軍が戦力を再編成することを防ぐため、米国と欧州から未占領地域の防衛保証を得る必要があると主張している。
3月6日、トランプ氏は「最終的にウクライナとロシアは和平合意に至るだろう」との見方を示した。
「ウクライナは合意を望むだろう。なぜなら、彼らには他に選択肢がないからだ」と述べた。また、ロシアについても「彼らには選択の余地がない」と語った。
欧州の対応と国際的な影響
欧州の首脳らは、今後10年間で防衛費を8千億ドル以上増額する計画を前倒しし、欧州が米国のみが提供できる重要な安全保障関連物資へのアクセスを維持できるよう、ゼレンスキー大統領に米国との関係を修復するよう圧力をかけた。
その一環として、欧州側はゼレンスキー氏が提案した「空と海の戦闘の一時停止案」を暫定的に支持。停戦後の第二段階として、英国軍とフランス軍がウクライナに派遣され、平和維持活動を行う計画も検討されている。
トランプ氏の見解と今後の展望
ウィトコフ氏は3月6日、記者団に対し、トランプ大統領はゼレンスキー大統領が和平合意に向けて真剣に取り組んでいると確信しており、和平合意への道は開かれていると語った。
「大統領は関係修復の道があると述べ、ゼレンスキー大統領は誠意を持って関係修復に取り組む意向を示した」。
「ゼレンスキー大統領は謝罪し、米国への感謝を示したうえで、和平に向けて取り組む意向を表明した」。
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