ブラジルの副大統領で貿易、工業、開発大臣であるジェラルド・アルクミン氏は、3月6日に、ハワード・ラトニック米商務長官とビデオ会議を行い、アメリカの鋼鉄とアルミニウムの関税政策および二国間貿易の問題について議論した。
トランプ米大統領は、今年の初めに、3月12日から輸入される鋼鉄とアルミニウムに25%の関税を課すと発表した。この措置はブラジル側に強い懸念を引き起こした。
ブラジルはアメリカにとって、カナダに次ぐ第二の鉄鋼輸出国だ。昨年、ブラジルは、アメリカに430万トンの鉄鋼を輸出し、これは全体の48%を占めている。この新しい関税措置は、ブラジルの鉄鋼産業に、大きな影響を与える可能性がある。
ロイター通信によれば、アルクミン氏は、アメリカ側に関税の発効を延期するよう会談で求め、ラトニック氏はその要請をトランプ大統領に伝えると応じたとのことだ。しかし、アルクミン氏のオフィスが発表した公式声明には、この要請について具体的には触れられておらず、両者は関税などの貿易問題について、合意を目指して対話を続けることを強調している。
ブラジルのニュースサイト「G1」は、情報筋の話を引用して、ラトニック氏がブラジルの鉄鋼・アルミニウム製品に対する新たな関税を、先送りする可能性を示唆したと報じた。
アメリカの経済メディア「バロンズ」によると、ブラジルのルラ大統領は、2月のインタビューで「間違いなく、ブラジルは、アメリカに対して対等な措置を取る」と述べ、アメリカが譲歩しなければ、ブラジルはアメリカの商品に対して報復関税を課す可能性があることを示唆した。
一方、ブラジルのアレクサンドル・パディーリャ外相は2月11日、ブラジルは、アメリカとの貿易戦争を望んでいないと強調し、対抗するのではなく、アメリカとの貿易協力を強化することを優先していると述べた。
交渉の進展は、ブラジルの対米鉄鋼貿易に、直接的な影響を与え、世界の鉄鋼市場にも影響を与える可能性がある。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。