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トランプ氏「中国問題を全く理解してない」 中共の方が「礼儀正しい」と発言した豪元首相に反論

2025/03/11
更新: 2025/03/11

オーストラリアのマルコム・ターンブル元首相が、米ブルームバーグのインタビューで、中国共産党指導部の方がトランプ米大統領よりも「礼儀正しい」と発言したことについて、トランプ米大統領は強く反論した。

トランプ氏はSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、ターンブル首相は、中共を理解しておらず指導力に欠けていると非難した。

トランプ大統領は

「素晴らしいオーストラリアを常に『後ろから』導いてきた元首相マルコム・ターンブル氏は、中国で何が起きているのか全く理解していなかったし、理解する能力もなかった」

と投稿した。

「私はいつも彼が弱く非効率なリーダーだと思っていたし、オーストラリア国民も当然私に同意している」

と述べ、ターンブル氏の指導力に疑義を呈した。

ターンブル元首相は、Xで「トランプ氏の混乱は習近平への贈り物だ」と語った。そのうえで、習近平が「トランプ氏とは真逆を目指すだろう」と述べた。

「トランプ氏が支離滅裂なら(習は)一貫性を保ち、失礼な姿勢で暴言を吐くなら敬意を払うといった具合だ」

また、ブルームバーグとのインタビューの中で、ターンブル氏は

「関税は発動され、解除され、再び発動された。そして、この不確実性は市場にも打撃を与えており、ビジネスにとって悪影響だ」

と語った。

「今回、トランプ氏はより決意が固いと思う。彼のチームも完全に彼の考えに賛同している。周りにはイエスマンや支持者がいる。トランプ政権の最初の頃は、彼は本当に勝つとは思っていなかったし、準備もできておらず、自分の陣営やMAGA運動の出身者ではない人を多く雇っていた…」

トランプ大統領とターンブル氏の関係は良好とは言えなかった。トランプ大統領就任直後の2017年1月に行われた電話会談は、緊迫としたものだった。

オーストラリアは、難民をパプアニューギニアのマヌス島やナウルに収容する政策をとっていた。オバマ政権時代に、アメリカがこの難民の一部を受け入れる合意をしていたが、トランプ大統領は、ターンブル首相との電話会談で「これは史上最悪の合意だ!」と指弾し、電話を途中で切ったといわれている。

2021年1月6日の議会議事堂事件の際、ターンブル氏は「暴徒による暴力は、アメリカの民主主義に対する大きな挑戦だ」と述べた。

オーストラリアの指導者らはトランプ政権に楽観的

ターンブル氏がトランプ氏を痛烈に批判する一方、現在のオーストラリア政権の中枢はトランプ政権と良好な関係を保っている。

リチャード・マールズ副首相兼国防大臣は、最近のインタビューで、トランプ政権との関係は、「順調に進んでいる」と述べた。マーレス氏は最近、ヘグゼス国防長官と会談し、トランプ政権は、米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」を支持してきたと語った。

ペニー・ウォン外相もトランプ大統領就任式に出席し、米ワシントンでマルコ・ルビオ米国務長官と会談した。

野党党首ピーター・ダットン氏は、米国を重要な同盟国と位置づけており、新政権とうまく協力できると自信を見せている。

ダットン氏は

「そうですね、私はオバマ政権、トランプ政権、バイデン政権と非常に緊密に協力してきたし、ホワイトハウス第47代大統領の多くの人々とも良好な関係を築いており、彼らと非常に緊密かつ効果的に協力することができる」

と語った。

オーストラリア在住の記者。以前はMotley Fool Australia、Daily Mail Australia、Fairfax Regional Mediaの記者を務めていました。