オーストラリアのマルコム・ターンブル元首相が、米ブルームバーグのインタビューで、中国共産党指導部の方がトランプ米大統領よりも「礼儀正しい」と発言したことについて、トランプ米大統領は強く反論した。
トランプ氏はSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、ターンブル首相は、中共を理解しておらず指導力に欠けていると非難した。
トランプ大統領は
「素晴らしいオーストラリアを常に『後ろから』導いてきた元首相マルコム・ターンブル氏は、中国で何が起きているのか全く理解していなかったし、理解する能力もなかった」
と投稿した。
「私はいつも彼が弱く非効率なリーダーだと思っていたし、オーストラリア国民も当然私に同意している」
と述べ、ターンブル氏の指導力に疑義を呈した。
ターンブル元首相は、Xで「トランプ氏の混乱は習近平への贈り物だ」と語った。そのうえで、習近平が「トランプ氏とは真逆を目指すだろう」と述べた。
「トランプ氏が支離滅裂なら(習は)一貫性を保ち、失礼な姿勢で暴言を吐くなら敬意を払うといった具合だ」
また、ブルームバーグとのインタビューの中で、ターンブル氏は
「関税は発動され、解除され、再び発動された。そして、この不確実性は市場にも打撃を与えており、ビジネスにとって悪影響だ」
と語った。
「今回、トランプ氏はより決意が固いと思う。彼のチームも完全に彼の考えに賛同している。周りにはイエスマンや支持者がいる。トランプ政権の最初の頃は、彼は本当に勝つとは思っていなかったし、準備もできておらず、自分の陣営やMAGA運動の出身者ではない人を多く雇っていた…」
トランプ大統領とターンブル氏の関係は良好とは言えなかった。トランプ大統領就任直後の2017年1月に行われた電話会談は、緊迫としたものだった。
オーストラリアは、難民をパプアニューギニアのマヌス島やナウルに収容する政策をとっていた。オバマ政権時代に、アメリカがこの難民の一部を受け入れる合意をしていたが、トランプ大統領は、ターンブル首相との電話会談で「これは史上最悪の合意だ!」と指弾し、電話を途中で切ったといわれている。
2021年1月6日の議会議事堂事件の際、ターンブル氏は「暴徒による暴力は、アメリカの民主主義に対する大きな挑戦だ」と述べた。
オーストラリアの指導者らはトランプ政権に楽観的
ターンブル氏がトランプ氏を痛烈に批判する一方、現在のオーストラリア政権の中枢はトランプ政権と良好な関係を保っている。
リチャード・マールズ副首相兼国防大臣は、最近のインタビューで、トランプ政権との関係は、「順調に進んでいる」と述べた。マーレス氏は最近、ヘグゼス国防長官と会談し、トランプ政権は、米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」を支持してきたと語った。
ペニー・ウォン外相もトランプ大統領就任式に出席し、米ワシントンでマルコ・ルビオ米国務長官と会談した。
野党党首ピーター・ダットン氏は、米国を重要な同盟国と位置づけており、新政権とうまく協力できると自信を見せている。
ダットン氏は
「そうですね、私はオバマ政権、トランプ政権、バイデン政権と非常に緊密に協力してきたし、ホワイトハウス第47代大統領の多くの人々とも良好な関係を築いており、彼らと非常に緊密かつ効果的に協力することができる」
と語った。
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