国土交通省が3月18日に発表した2025年1月1日時点の地価公示によると、全国の全用途平均地価は前年比2.7%上昇し、4年連続での上昇となった。前年の上昇率(2.3%)を上回り、1991年のバブル期以来、34年ぶりに高い伸び率を記録した。
今回の地価上昇を主導したのは、東京、大阪といった三大都市圏や地方の主要都市、さらには外国人向け別荘需要が高いリゾート地である。三大都市圏では全用途平均で4.3%の上昇を記録し、特に商業地では再開発や訪日外国人観光客増加の影響で顕著な伸びを見せた。例えば、東京都中央区銀座4丁目では商業地の最高価格が1平米あたり6050万円となり、前年比8.6%の上昇を記録している。
また、地方でも特定地域で高い伸びが見られた。北海道千歳市では半導体関連企業の進出により商業地が前年比48.8%上昇し、全国最高の伸び率となった。


専門家は今回の地価上昇について、景気回復や円安による海外資金流入が大きく影響していると分析している。低金利環境も相まって、不動産投資が活発化していることが背景にある。さらに、新型コロナウイルス感染拡大後に訪日外国人観光客数が回復し、商業地やリゾート地への需要増加が地価を押し上げた。
一方で、建設コストの高騰や人手不足といった課題も指摘されており、今後これらは地価動向に影響を与える可能性がある。
地方では札幌市や仙台市など主要都市で12年連続の上昇が続いているものの、一部地域では伸び率が鈍化している。新たな産業や観光需要による地域活性化が進むエリアでは引き続き高い伸び率が期待されている。
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