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米FDA ワクチン部門トップ辞任

2025/03/31
更新: 2025/03/31

米食品医薬品局(FDA)ワクチン部門のトップ、ピーター・マークス博士が、3月28日に辞表を提出した。ロバート・F・ケネディ・ジュニア保健長官の方針への懸念が理由とされた。

FDAのサラ・ブレナー長官代行に宛てた書簡で、マークス氏は、ワクチン規制を担う生物製剤評価研究センター(CBER)の所長を、4月5日付で辞任する意向を表明した。同センターは、アレルギー製品、血液製剤、細胞・組織・遺伝子治療も管轄している。

新型コロナウイルスのパンデミック時には、同氏が中心となってワクチンや治療薬の迅速な審査・承認が進められたほか、当時の迅速開発計画「オペレーション・ワープスピード」の名称を考案した人物としても知られていた。

同氏は、

「長官の懸念に応じて、国民の意見を聞く場を設けたり、米国科学・工学・医学アカデミー(NASEM)との公開討論を開催したりするなど、透明性確保に努めてきた」

と、述べた。

「長官が求めているのは真実や透明性ではなく、自らの誤った主張を裏付ける従順な姿勢だと感じた」

と記し、詳細には踏み込まなかった。

マークス氏は、大紀元に応じ、「一部で進められているワクチンによる健康被害に関する主張」や、「米国内の公衆衛生に悪影響を及ぼす、前例のない科学への攻撃」にも懸念を示した。

書簡ではさらに、18世紀後半に天然痘対策として使われたワクチンの歴史や、最近のはしかの流行についても言及。

「テキサス州で特に深刻となっており、また、現在も続く複数州での「はしか」の感染拡大は、公衆衛生の基盤となる科学への信頼が損なわれたときに、何が起きるかを示している」

と、警鐘を鳴らした。

ケネディ・ジュニア長官は、現時点でマークス氏の辞表に対して、公式なコメントを出していない。大紀元は米保健福祉省(HHS)にコメントを求めている。

一方、HHSの関係者は、週末に報道各社に対し声明を出し、「ピーター・マークス氏が、科学を本来あるべき姿に回復し、徹底した透明性を推進する姿勢を持たないのであれば、ケネディ長官の下で、FDAにとどまるべきではない」との見解を示した。

テキサス州とニューメキシコ州の当局によると、2025年1月以降、両州で報告されたはしかの感染者は440人を超えた。米疾病対策センター(CDC)は、3月28日、2025年に入ってから19州で計483件のはしか感染を確認したと発表している。

ケネディ氏は、2月28日、Xで「はしかの流行の終息は最優先課題だ。すでにテキサスとニューメキシコの影響地域にはワクチンを送付した」と投稿した。また、ウイルスの追跡を目的とした検査支援の提供や、影響を受けた地域の保健当局との連携、住民への情報提供も行っていると説明した。

同氏は3月に、FOXニュースに応じ、

「テキサスを訪問し、患者にはビタミンAなど複数の治療を提供している」

と、語った。

マークス氏の辞任の報は、HHSが1万人規模の職員削減と複数部門の閉鎖を予定している中で伝えられた。同省はこれを「官僚主義と重複の排除を目的とした組織改革」と位置づけた。

ケネディ氏は声明で、

「時間の経過とともに、HHS(米保健福祉省)のような官僚組織は、たとえ職員の多くが熱心で有能であっても、非効率で無駄が生じやすくなる。今回の改革は、納税者にとっても、HHSが支える国民にとっても有益なものとなる。我々の目標は『アメリカを再び健康な国にする』ことであり、その対象は全ての国民だ」

と述べたと言う。

ニューヨークを拠点とするエポック タイムズの速報記者。