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アメリカとロシアはレアアースに関する協議を開始=ロシア特使

2025/03/31
更新: 2025/03/31

ロシアの国際経済および投資協力特使が31日、ロシアメディアのイズベスチヤ(Izvestia)に対し、アメリカとロシアが希土類金属に関する協力交渉を開始し、ロシア国内の資源を共同で開発する計画であることを明らかにした。この動きは、トランプ政権が中国の希土類金属の独占に対抗し、アメリカのサプライチェーンの安全性を強化するための最新の取り組みと見なされている。

さらに、ロシア直接投資基金(RDIF)の最高経営責任者(CEO)であるキリル・ドミトリエフ氏は「希土類金属は双方の協力において重要な分野であり、もちろんロシアのさまざまな希土類金属やその他のプロジェクトについて議論を始めている」と述べた。

2019年11月9日、ロシアの主権ファンドであるロシア直接投資基金(RDIF)のCEO、キリル・ドミトリエフ(Kirill Dmitriev)氏がモスクワで開催された「人工知能の旅」(AIJ)フォーラムの特別討論会に出席(Sergei GUNEYEV / Sputnik / AFP via Getty Images)

アメリカとウクライナが鉱産協定の草案について交渉を行った後、ロシアのプーチン大統領は、今後の経済協定の枠組みの中で、ロシア国内の希土類金属鉱山をアメリカと共同で開発する意向を示した。

今年2月、アメリカとロシアはサウジアラビアで会談を行い、その際、ロシア側の代表の一人であるデミトリエフ氏も参加した。同氏は、一部の企業がこれらのプロジェクトに興味を示していると述べたが、具体的な企業名は公表されず、詳細についても明らかにされなかった。

報道によれば、次回のアメリカとロシアの会談は4月中旬にサウジアラビアで行われる可能性があり、その際にこの協力についてさらに議論されるかもしれない。

ハイテク産業にとって、希土類やその他の重要な金属は非常に重要だ。ここ数か月の間、アメリカのトランプ大統領は、中国共産党(中共)がこの分野で持つ主導的な地位に対抗するための一連の計画を進めている。

現在、トランプ氏はペンタゴンに対して「レアアースと重要鉱物」に関する完全な計画を策定するよう命じており、アメリカが戦略物資の供給チェーンにおいて自給自足できるようにし、さらに潜在的な衝突やグローバルな供給リスクに対応できるようにしている。またトランプ大統領は「国防生産法(DPA)」を引用し、国内の重要鉱物やレアアースの生産、加工、供給チェーンの再編成を促進するために資金提供やその他の投資支援を行い、連邦政府が管理する土地を鉱物生産に優先的に使用することを決定した。

さらに、トランプ政権はウクライナと交渉を進めており、レアアースと戦略鉱物を含む二国間協定を結ぶことを目指している。この協定は、ウクライナのチタン、リチウム、レアアースおよびその他の希少金属を含む可能性がある。外部の専門家は、この動きがアメリカが中国のレアアース依存から脱却するための重要な一環であると広く考えている。

2024年に発表されたアメリカ地質調査所(USGS)の報告によると、中国の2023年のレアアース生産量は24万トンで、世界全体の生産量の約68.5%を占めており、アメリカやミャンマーなどの他国を大きく上回っている。

この報告では、アメリカが輸入するレアアース金属および関連化合物の72%が中国(香港を含む)から供給されており、残りは主にマレーシア、日本、エストニアからのものであると指摘されている。外部の専門家は、これがアメリカの経済と国防の安全に対して重大な脅威をもたらすと広く考えている。

陳霆