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農水省 農協通さぬコメの直接販売 44万トン増加

2025/03/31
更新: 2025/03/31

農水省は3月31日、農協などの集荷業者を介さずに、生産者から卸売業者や実需者(小売、外食、宿泊、中食、食品加工、仲卸など)へ直接販売されたコメの量が、2024年1月末時点で前年同時期に比べ44万トン増加したと発表した。これは、農家の出荷量全体のおよそ1割に相当する。

一方で、JA全農などの集荷業者を通じた出荷量は、同時点で31万トン減少。農協ルートを通さない流通の拡大が進んでおり、コメの販売構造が大きく変化しつつあることが浮き彫りとなった。

同調査では、生産者、卸売業者、小売・外食などの各流通段階での在庫も積み増されている。1月末時点では、生産者段階で9万トン、卸で3万トン、小売・外食などで7万トン、合計19万トンの在庫増が確認された。

農水省はこれまで、一部の農家や卸売業者が、コメ価格の上昇を見越して投機的に在庫を抱え込んでいる可能性を指摘していた。江藤拓農水相は同日の会見で、「在庫の増加は、各事業者が将来の供給不安を見越して、少しずつ先回りして積み上げていった結果ではないか」との見方を示した。

同日の発表によると、3月17日から23日にかけて全国のスーパーで販売されたコメの平均価格(5キロ当たり)は、前年同期比で2倍を超える4197円に達した。東京都内の一部店舗ではすでに4600円台に達している。消費者の家計への影響も懸念されている。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。