自民党の森山裕幹事長は1日の記者会見で、物価高対策として野党が提案する消費税率引き下げについて、「消費税収入は全額社会保障財源に充てられている」と指摘し、減税を主張する場合には代替財源を明示する必要があるとの認識を示した。森山氏は、「食料品やエネルギー価格の高騰を受け、低所得世帯への給付やガソリン価格の激変緩和など、地域の実情に応じた対応に取り組んでいきたい」と述べ、現行政策を軸とした物価高対策を進める考えを示した。
消費税収入は全額社会保障財源に?
一方で、消費税収入の使途について議論が広がる中、輸出還付金制度の実態も注目されている。輸出還付金とは、輸出取引に適用される「ゼロ税率」に基づき、輸出企業が国内で支払った消費税分を還付する仕組みである。この制度により、日本の輸出大企業は毎年巨額の還付金を受け取っている。
例えば、2022年度にはトヨタ自動車など輸出大企業上位20社に対して約1.9兆円が還付されたことが明らかになっている。また、消費税収全体の約25%に相当する約6兆6千億円が輸出企業への還付金として支払われており、この額は国庫に入らない構造となっている。
この制度は国際競争力強化を目的として導入されたものだが、一部では「輸出大企業への補助金」として批判されている。さらに、不正還付問題も指摘されており、日本政府はインボイス制度導入を通じて還付金の透明性向上を図るとしている。
消費税収入のうち社会保障財源として使われる割合については法律上「全額」とされているものの、実際には輸出還付金や地方交付税など複合的な使途があるため、その実態は単純ではない。こうした背景から、森山氏が求めた「代替財源」の議論とともに、消費税収入の使途全体への理解を深める必要性が浮き彫りとなっている。
政府与党内では引き続き、物価高への対応として直接給付や補助金など現行政策を軸とした取り組みが進められる見通しだ。一方で、消費税制度そのものに関する議論は今後さらに活発化する可能性がある。
アメリカのトランプ政権は「相互関税」政策の詳細を4月3日に公表する。日本の消費税も関税と見なされる可能性が懸念されている。
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