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刑事デジタル法案の議論のなか 安倍元首相銃撃事件の公判遅延も焦点に

2025/04/04
更新: 2025/04/04

2025年4月4日、衆議院法務委員会において刑事デジタル法案が主要議題として取り上げられた。この法案は、刑事手続における情報通信技術の活用を進め、公判や捜査の効率化を図ることを目的としている。日本保守党の島田洋一議員は、安倍晋三元首相銃撃事件の公判が2年9か月以上経過しても開始されていない現状を問題視し、遅延の理由と遅延解消に法案がどのように寄与するかについて質問した。

4月4日、衆議院法務委員会で質疑をする島田洋一議員(日本保守党)。(提供:衆議院インターネット中継)

島田議員の質疑

島田議員は、安倍元首相銃撃事件が未だ公判開始に至っていない理由について問い質し、刑事デジタル法案による効率化が遅延解消にどの程度効果的であるかを追及した。特に、公判前整理手続きにおける証拠管理や争点整理が迅速化されれば、こうした重大事件の進行が加速する可能性を指摘した。

参考人の意見

参考人として出席した国士舘大学法学部の吉開多一教授は、安倍元首相銃撃事件の公判遅延について具体的な理由は承知していないとしながらも、デジタル社会では証拠が膨大になる傾向があり、それらの調査や整理に時間を要することが遅延の一因となり得ると述べた。

国士舘大学法学部の吉開多一教授(提供:衆議院インターネット審議中継スクリーンショット)

特に、この事件では多くの証拠が存在していることが推測され、公判前整理手続きで争点や証拠を絞り込む作業が進められていると指摘した。

また、成城大学法学部の指宿信教授は、同じく公判遅延の理由は承知していないとした上で、北アイルランドで刑事手続きのIT化を視察した経験を基に意見を述べた。

成城大学法学部の指宿信教授(提供:衆議院インターネット審議中継スクリーンショット)

指宿教授は、刑事デジタル法案がもともと迅速化を目的としたものであり、北アイルランドでは証拠の電子化やオンライン手続きによって人員を削減し、裁判進行が効率化された事例があると述べた。ただし、今回の法案で日本でどれくらいの迅速化が望めるかという予測については差し控えるとした。

大紀元エポックタイムズジャパン記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。