あまりに安全性に関わる事故が頻発しているため、「中国製EVは爆弾を載せているようなもの」と揶揄する声が広がっている。
3月29日夜、安徽省の高速道路でスマホ大手シャオミ(小米)のEV「SU7」がコンクリート製の中央分離帯に衝突した後、炎上し、乗車していた女子大学生3人が死亡した。
この痛ましい事故は瞬く間に広く報道され、シャオミの株価が急落しただけでなく、国内外で中国製EVの安全性について大きな議論を巻き起こした。
事故の3日後(4月1日)、シャオミは事故の分析報告を公表したが、その報告について「責任を運転者に転嫁する意図がある」と指摘する声が上がっており、世論から厳しい批判が巻き起こった。
シャオミ側は、事故発生前は自動運転支援機能「NOA」が使われてており、NOAが障害物を検知して減速を開始して警告メッセージを発した1秒後に人間が運転を引き継いだが、その1-2秒後に衝突が起きたと説明している。
しかし、「衝突後になぜ炎上したのか」「衝突後、なぜドアも窓もロック解除されなかったのか」といった遺族らが最も問題視する事実については一切触れられておらず、またシャオミ側は「被害者家族と連絡を取っている」と主張しているが、「実際には一切連絡を受けていない」との被害者家族による証言が寄せられ、被害者家族への対応に関しても不誠実な対応が明らかになっている。
事故後のシャオミの対応をめぐり、ネット上では「わずか1秒で反応できる人間はいない、人間に責任をなすりつけるな!」「肝心な問題から逃げた!」といった批判が殺到している。
しかし中国国内ではそういったシャオミにマイナスなコメントは検閲され、被害者家族の声は封殺に遭っている。またネット上では事故に対する世論の反応も奇妙だ。シャオミ創業者・雷軍氏のSNS投稿には同情と擁護の声が殺到しているのだ。
華人圏ではこの現象について、「企業と国家による言論統制やネット工作が行われている」との声が多く、今回の事故と、事故後の対応やネット世論はシャオミだけの問題ではなく、中国EV産業全体が抱える「安全軽視と責任放棄」の縮図だとの指摘もあがっている。
シャオミ事故が突きつけた中国EVの闇
華やかに宣伝される「世界をリードする中国技術」の裏側には、未成熟な技術、十分でない安全設計、そして危機時にユーザーの安全を軽視する企業姿勢がある。
命を失った人たちよりも、ブランドイメージの方が重視される社会——この構造が変わらない限り、中国製EVが「走る爆弾」と揶揄される状況は変わらないだろう。中共の国策でもあるEV普及に携わる企業のブランドイメージはそのまま中国共産党が信じ込ませようとしている「共産党は素晴らしい」という優越性にもつながる
中国では、EVの事故においては、そのメーカーが中国産か外国産かによって世論の風向きが真逆という奇妙な現象もみられる。
例えば、2016年に中国で初めて米EV大手テスラによる重大事故が発生した際、当時の世論はテスラのセミ運転支援システム(オートパイロット)を「一致して」批判していた。
しかしこのような現象に対しても、SNS上では多くのネット工作員を擁する当局の関与を疑う声もあがる。中共は自党の優越性を脅かす対象が現れると適当な攻撃対象を探して、世論を作るための人員を配置し、その人員を駆使して対象を誹謗中傷し、社会的地位を貶めることによって自党の優勢性を保持しようとしてきた。
大紀元の社説『 共産党についての九つの論評(九評共産党)』の【第九評】 中国共産党の無頼の本性では次のように述べている。
「安定が一切を圧倒する」、「一切の不安定要素は、その萌芽状態のうちに消滅させる」というのが、中共が人民を弾圧する理論的根拠になっている。

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