トランプ政権は、一部のテクノロジー製品に対する相互関税を一時的に免除する一方で、半導体および電子機器に新たな国家安全保障関税を課す方針を打ち出している。
4月11日、アメリカ政府はスマートフォン、コンピュータ、メモリチップといった主要テクノロジー製品の相互関税を一時的に停止した。この措置に対し、中国共産党(中共)は「アメリカ側の小さな譲歩」と位置づけた。一方、トランプ大統領は13日、「これらの製品に対して特定の関税措置を準備している」と明言し、国家安全保障関税調査の実施を示唆した。
中共商務部は、「アメリカが『相互関税』という誤った手法を修正し始めた」との見解を示し、さらにアメリカ政府に対して同関税の完全撤廃を求めている。
同日、トランプ大統領および政権高官らは、テクノロジー製品に関する相互関税の一時免除について公式に説明し、中共の主張に真っ向から反論した。
半導体や電子製品が新たな関税対象に
トランプ大統領は、SNSプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」上で次のように主張した。「他国がアメリカに対して不公平な貿易や非関税障壁を設けている現状を看過することはできない。とりわけ中国の姿勢は、過去最悪の部類に入る」
また、11日に発表した内容について「実際には関税免除ではない」と断言し、スマートフォンなどの電子製品は依然として20%のフェンタニル関連関税の対象に該当し、単に関税分類が変更されたに過ぎないと説明した。「フェイクニュースはこの事実を意図的に報じていない」との批判も加えた。
トランプ大統領の説明によれば、今回相互関税の対象から外れたチップや電子製品は国家安全保障関税調査の対象となり、調査の結果に応じて新たな関税が課される可能性が高い。
「近く開始する国家安全保障関税調査では、半導体および電子機器のサプライチェーン全体を対象とする。アメリカは国内で製品を製造する体制を築かなければならない。そうすれば、他国、特に中国のような敵対的な貿易相手国からの支配を排除できる」と述べた。
さらに、トランプ大統領は、中共がその影響力を駆使してアメリカ国民を軽視していると指摘し、「数十年にわたってアメリカの利益を損なってきた中国の手法を容認する時代は終わった」と断言した。「アメリカの黄金時代が訪れる」との見通しを語り、減税および規制緩和が雇用創出と国内生産を促進すると強調した。また、「中国がアメリカを扱うように、アメリカも中国を扱うべきだ」との姿勢を打ち出した。
ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、トランプ氏は近く、貿易拡張法第232条に基づき、半導体業界に対する調査を命じる見通しである。過去にも同氏は同法に基づき関税措置を講じた実績を持つ。今回も、追加関税が適用された場合、11日に関税免除となった多くのテクノロジー製品が再び影響を受ける可能性がある。
商務長官ハワード・ラトニック氏は、4月13日に放映されたABCの《This Week》でのインタビューにおいて、「トランプ大統領は今後1~2か月以内に、スマートフォンやコンピュータなどの電子製品に対し『特別焦点型』関税を課す方針を持っている」と述べた。また、半導体および医薬品についても、業界別に関税を適用する方向で調整が進んでいる。
ラトニック商務長官は、「これらの製品は相互関税の対象ではないが、今後の半導体関連関税の枠組みに組み込まれる計画である。1〜2か月以内に実施される見通しだ」と語り、この措置によって国内回帰の流れが強まるとの見方を示した。
「これらの政策はすべて国家安全保障に直結しており、アメリカ国内での生産体制の確立が不可欠である」と強調した。
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